ごきげんよう! さわこです

最近読んだ本の中に「日本人の知らないユダヤ人」がある。
筆者は石角莞爾さん、5年間に及んだユダヤ教の学習の末に60歳で改宗した国際弁護士の方である。


この本を読みながら、私は各所で共感してしまった。
そればかりではない。
自分の信仰姿勢についても、私の場合は神様に止むことなく問い続ける姿勢なのだが、
「これでいいのだ。これは神様のみこころに適っているスタイルだったのだ」という安心感を持ったのであった。
SDAは安息日遵守や食物規定を大切にするのだが、それゆえに、ユダヤ教のように言う人もいるが、キリスト教の母体はユダヤ教であるのだから、聖書に忠実であろうとするならば、ユダヤ教との接点や類似点も出て来て当然なのだ。

一部分ですが紹介します。

① ユダヤ教は不思議な宗教で「問い続けることで神を理解しよう」という発想をします。

② ユダヤ人が過酷な運命の下で頼れたものは、自分の頭の中に蓄えられた知識、そしてその集積の中から生み出される英知でした。

③ ユダヤ人のヘブライ語は、一つの言葉に複数の意味が宿ります。(これを知ったらヘブライ語で書かれた旧約聖書の読み方を考えなくてはならないと思った)

④ ユダヤ教は日常生活のための叡智の宝庫。

⑤ ユダヤ人の肌の色は、黒色、褐色、白色と様々であり、遺伝子や血液型ではっきりと他の民族集団と区別はできない。

⑥ 欧米社会では20世紀半ばまで、ユダヤ人への差別があった。

⑦ 世界人口は67億人。ユダヤ人は1500万人で世界人口の0.2%にすぎない。
そうした少数者が知的な分野を中心に人類に大きな貢献をしてきた。

⑧ ユダヤ教は改宗に消極的なので伝道もしない。

⑨ アブラハムは第一号のユダヤ人。アダム、イブ、ノアはユダヤ人ではない。

⑩ 神はユダヤ人を「選ばれた民」として指名した。ユダヤ人も「神を選んだ」と考えている。

⑪ ユダヤ教の学びは「信じろ」ではなく「問い続けろ」

⑫ 神を信じるだけのユダヤ人はユダヤ人らしくないと批判される。

⑬ 祈りとは神との対話である。

⑭ ユダヤ教は神の意思を問うことを信者に求める。
ああでもない、こうでもないと考えることがユダヤ人として最もユダヤ人らしい一瞬だ。

⑮ ユダヤ教の勉強で、筆者は様々な思い込みが崩れていき、神について疑問も感動も含めて考え続けることで、自分の中で神の存在が日ごとに大きくなっていった。

⑯ 神の一日と現代科学の15億年が同じ時間であるというのは、時間の速度は状況によって違うので説明できる。神にとっての一日が、人間にとっては25億年に当たるという考えも成り立つ。
「光年の謎と新宇宙論」について書きましたが、参考にどうぞ。
http://ameblo.jp/sawako35/entry-12026680705.html

⑰ 進化論を誰も証明していない。
科学と信じられている者が人間の思い込みであることも多い。

⑱ 十戒は人が守れない教え。そしてユダヤ人は十戒について何千年も議論を続けてきた。

⑲ 時間を盗むことも犯罪だ。

⑳ ユダヤ人は神の自己矛盾について何千年も議論をしている。

㉑ 十戒には人間への奥深い洞察が秘められている。

㉒ 義務教育を最初に行ったのはユダヤ人。

㉓ ユダヤ人の特徴は勉強にある。
ユダヤ人は迫害を受け、命や財産を奪われる危険に常にさらされてきた。
ユダヤ人に残されたのは教育する自由だけだった。

㉔ ユダヤ人は強烈な自己主張をする。

㉕ 伝統的なユダヤの教育法は教師と生徒が議論する形で学ぶこと。

㉖ トーラーと呼ばれる創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記を3~4歳から13歳ぐらいまで何度も繰り返し読むことで、ユダヤ人の多くはトーラーをほぼ暗記する。トーラーは毎日少しずつ読みながら、一生学び続けるもの。

㉗ ヘブライ聖書には無駄なところは一つもない。

㉘ ヘブライ聖書の学習によって、集団としての歴史教育、倫理・道徳教育がなされて社会の一体感が生まれ、次世代へと伝えられてきたので、ユダヤ民族が世界に離散しても民族の一体性が持ち続けられてきた。

㉙ ユダヤ教は、勉強すること、安息日を守ること、食事戒律を守ること、毎日祈ることである。

形の有るものを拝む代わりに神についての議論と勉強をする。

㉚ ユダヤ教の宗教儀式は、目に見えず、自分では意識しない大切なものを思いださせてくれる。

㉛ ユダヤ人は家庭を大切にする。

㉜ 安息日は心と体を元気にする。

㉝ 食べ物は人間の健康を左右する。食べてはいけないものが宗教的に決められた。

㉞ ユダヤ人はジョークを好む。笑いの力を古代からユダヤ人は知っていた。

㉟ ユダヤ教は戒律と自制の宗教。
欲望にまかせるのではなく、戒律という基準に基づいてコントロールすることを求める。

㊱ 疑うことが知的な効果を生む。

㊲ ユダヤ人は物事の多面性を強調するので、善と悪が一緒になった現実社会を直視する。

㊳ ユダヤ人は「あきらめ」とは無縁。

㊴ ヘブライ聖書では、自分を卑下してはいけないという言葉がある。

㊵ 神とさえ戦うことを奨励する。

㊶ ユダヤ人は異質なものを進んで受け入れる。

㊷ ユダヤ人は疑問を向けられたり、反論されたりすると歓迎されたと思う。日本人のように非難されたとは思わない。

㊸ 他人の変わっていることは、自らにないことを気づくヒントになる。

㊹ リスクに敏感で代替策を持つ。

㊺ 安息日は、計測できるものに執着することから、執着しないことに切り替える日です。


マラナ・タ

とても面白く、興味深く読みました。
ひとつ気づいた重要なこと。
救い主、キリスト(メシア)の存在が出てこないということです!

SDAは十字架のキリストを高く掲げます。

キリストの心を我が心として生きようと祈り求めます。

ユダヤ教には、イエス・キリストが不在なのです!

ユダヤ教の方が、新約聖書を読んだなら、ヘブライ聖書に書かれているメシアはイエス以外にはいないことが分かるはずなのです。

私は旧約聖書の中にイエス様を見つけることが大きな喜びです。
聖書通読の醍醐味はそこにあります。


日本人の知らないユダヤ人/小学館

¥1,620
Amazon.co.jp