ごきげんよう! さわこです。

先月、ヘンリーさんの本を二冊読みました。

①「英国人記者がみた 連合国戦勝史観の虚妄」
②「なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか」
こちらは加瀬英明氏とストークスさんの共著 
どちらも祥伝社新書。

ストークス氏とは、
1938年英国生まれ。61年オックスフォード大学修士課程修了後、62年フィナンシャル・タイムズ社入社。64年、東京支局・初代支局長。67年タイムズ東京支局長、78年ニューヨーク・タイムズ東京支局長を歴任。三島由紀夫と最も親しかった外国特派員として知られる。

加瀬英明氏とは、
1936年東京生まれ。慶應義塾大学、エール大学、コロンビア大学に学ぶ。「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長。外交評論家として内外に豊富な人脈を築き、77年より福田・中曽根内閣で首相特別顧問として対米交渉に貢献。日本ペンクラブ理事松下政経塾相談役などを歴任。

以下は、2013年11月25日に書かれた「英国人記者がみた 連合国戦勝史観の虚妄」のまえがきからの紹介の一部分である。


ストークス氏は1938年英国生まれ。
1964年昭和39年、オリンピックの開催される年に『フィナンシャル・タイムズ』の初代東京支局長として日本にやってきた。
以来日本に留まること50年。イギリスで生まれ育ったストークス氏は、幼少のころから日本人は野蛮で残酷な民族であると、さんざん聞かされてきた。
ちょうど、当時の日本人が「鬼畜米英」と聞かされていたのと同じであった。
戦後になっても、日本のおかげでアジアの植民地をすべて失ったイギリスの日本対する憎悪の感情は強まるばかりだった。
そんな環境の中で、日本を憎む気持ちはごく自然に醸成されていた。
したがって、来日当初は東京裁判が裁いた「日本=戦争犯罪国家論」「南京大虐殺」についても事実であると単純に信じていて何ら疑っていなかった。
だが、日本に滞在する間に、連合国からの視点でもなく、日本からの視点でもない第三者的視点で、20世紀の日本とアジアの歴史を俯瞰した時、そうした見方が大きな誤りであることに気づいた。三島由紀夫氏と親交を得たことも大きかった。

大東亜戦争は、日本の自衛のための戦いだった。
それは、戦後マッカーサーがアメリカに戻って議会で証言した「マッカーサー証言」によっても明らかだ。
南京大虐殺にしても、信用できる証拠は何一つなく、そればかりか中国が外国人記者や企業人を使って世界に発信した謀略宣伝(プロバガンダ)であることが明らかになっている。
「慰安婦問題」については、論ずるにも値しない。

だが、これまで日本人が日本の立場から、これらに抗議し、ただしていく動きはほとんどみられないか、見られてもごくわずかだった。
今、国際社会で「南京大虐殺はなかった」と言えば、もうその人は相手にされない。
ナチスのガス室を否定する人と同列に扱われる。
残念ながら、これは厳粛な事実だ。だから慎重であらねばならない。
だが、日本が日本の立場で、世界に向けて訴え続けていかなければ、これは歴史的事実として確定してしまう。

日本はこれまで、そうした努力が、異常に少なかった。・・・「南京」「靖国」「慰安婦問題」
これらの問題のほとんどは、日本人の側から、中国や韓国にけしかけて、問題にしてもらったのが事実だということだ。

この問題をどうするか、それは日本人が自分で考えなければならない。
日本人は、いまだに連合国がでっちあげた「戦勝国」史観の呪いから抜け出していない。本著がその束縛から逃れる一助となれば幸いである。



第2章の「日本だけが戦争犯罪国家なのか」に関しては、中学生の頃からの疑問だった。
「日本が世界的な戦争に踏み込んでいったことは大きな悲劇であった。それは侵略戦争であった。それを反省して戦争放棄の第9条をうたった日本国憲法が作られた。太平洋戦争で敗北したおかげでアメリカからの民主主義を日本は享受でき平和国家となった。」こういったことが教えられてきた。

だが欧米列強キリスト教国がしてきた植民地主義政策は侵略ではないのか?なぜ、日本だけが責められるのだろうか?それが腑に落ちなかった。
中高生だった私が世界の歴史を学んで、キリスト教国家に不信感を持ちキリスト教嫌いになった一番の理由がそれである。

前にも何度となく書いてきたのであるが、聖書を学ぶことで、私は生ける神であるイエス・キリスト様ご自身に出会って、その偏見は消え去り、クリスチャンになって25年である。

さて、ストークス氏の本を読んで、かつての私がいだいた疑問はごく普通の当たり前の感覚だったのだ。
事実の羅列から見えてくる隠された事実があるのだ。
なんだか変だぞ、と疑問を持つことは大事だ。
教えられたことを鵜呑みにしないということは健全なのだ。

第二次大戦後の戦後史を学ぶには、幕末にさかのぼらなければならない。
いいえ、安土桃山時代にまでさかのぼった方が良い。
いやいや、古代の日本建国の時代にまでさかのぼった方がよい。
このように広がっていく私の関心事を、テーマ別に整理していかなくては頭が混乱、爆発してしまいそうだ。

しかし、この作業は、以下に記したストークス氏の問いかけに応えるための私なりの方法かもしれない。

英国人のベテランジャーナリストであるストークス氏は、来日した当初は、「日本=戦争犯罪国家」という歴史観を信じて疑わなかった。この本はその考え方がいかにして転換していったのか記されている。そして、ストークス氏は日本人に向けて提言しているのだ。
「日本人であるあなたがたよ、戦後70年、何をどう選択するか、どう行動するか」


さて、ストークス氏が三島由紀夫と親しかったと知って、卒論に三島を取り上げていた学生時代の親友にメールをいれた。

「英国人のジャーナリスト、ヘンリー・ストークスさんって知ってる?この人すごいのよ!これほど三島の思想と信条に理解を持っているなんて!」

私は日本の古典文学の方に気持ちが向いていたし、あの当時の私は三島の気持ちが全くわからなかった。
衝撃的な事件に、少しでも分かろうと言葉を重ねていじくってみたのだったのだが、徒労に終わってしまっていつしか忘れていた。

あらためて、三島由紀夫を読んでみようと思い始めている。