ごきげんよう! さわこです
私のお気に入りの本の中の一冊
長谷川櫂著 中公新書 740円+税
「和の思想」です。
副題として、異質のものを共存させる力 とあります。
この本は2011年7月7日に、読み終えた後、読書日記に一気に記録してありました。
その記録から、転載します。
3年前に読んだものですが、いまだに強く印象に残っているところがあるのです。
この本も、だれかれに勧めて貸し出しました(笑)
以下・・・・・
とてもおもしろかったです。
とくに、著者のいう「和の概念」と
「家の作りやうは、夏をむねとすべし」の拡大解釈。
この二点にわくわくするほどの共感を持って読みました。
二日で読めました。
クリスチャンになってから、日本人クリスチャンとして生きることに関心が深くなりました。
思考形態がキリスト教国風になってしまうのではなく、ユダヤ人になってしまうのではなく、
キリスト者だけれど、日本人であるのですから。
日本人の思想や習慣を否定はしたくないのです。
それは福音に反するものではないはず。
そういう感じを常々もっている私にとって、この本はお気に入りのひとつになりました。
和食、和服、和室・・・
「和」はいろいろな言葉に添えられて日本的という意味を付け加えているようにみえるけれど、
本来、和とは、異質のものを調和させ、新たに創造する力を指すのだと著者はいいます。
倭の時代から、人々は、外来のものを喜んで迎え、選択・改良を繰り返してきました。
漢字という中国文化との出会いを経て仮名を生み出したように。
和という漢字の意味は
やわらぐ・・・互いの敵対心が解消すること
なごむ・・・・対立するもの同士が仲良くなること
あえる・・・・白和え、胡麻和えのように料理でよく使う言葉であるが、異なるものを混ぜ合わせてなじませること
和とは、さまざまな異質のものを、なごやかに調和させる力。
江戸時代までの文化を「和」と表現した日本文化として固定的にとらえることは、誤りではないか。
本来、和とは固定的なものではなく、さまざまな異質なものを共存させる躍動的な力のことではないか。
なんだかとても共感できました。
外来からのものを、日本に調和させていくにあたって、高温多湿の日本の気候風土が大いに影響しているという分析にも、共感、納得しました。
徒然草の第55段「家の作りやうは、夏をむねとすべし」
「造作は、用なき所をつくりたる・・・・」
家の作りは「用なきところ」一見、何の役にも立ちそうにもない空間を設けるほうが、見た目もよく、かえって何の役にでも立つ。
日本の芸術や家の作りは余白や間を重んじます。
生活様式も、精神構造も、そういえば確かにそうだ。
「夏をもってむねとすべし」
日本人の日本文化の根底に流れているものは、この思想だという発想に、興味をもちました。
日本人の挨拶は、少し離れて「おじぎ」をする。
握手やハグは、ほとんどしませんよね。
教会生活が長くなると、キリスト教文化圏の影響もあってか、握手やハグが、けっこう日常的になってきました。
外国からの留学生と親しくなると、特に、ハグに違和感が無くなってくる。
高温多湿の日本では、そんな暑苦しい接し方はしないという理屈です。
なるほど、なるほど、なぁるほど。
そういう視点で、眺めてみると、夫の気質を理解するのに役立ちそう(笑)
いやいや、実際に、夫理解に役立ちました。
会話もシンプル。
余白、余韻を重んじる。
詳しい説明や念を押す、繰り返しの会話を好まない。
夫が俳句をはじめたら、きっと上達が早いんじゃないかと思います(笑)
数十年、連れ添いながら、「宇宙人」のように思ったりしていたのですが、
きわめて日本人そのもの!
天然記念物的日本人そのものではないのか!(笑)
「天然記念物」とは、常々、私自身が言われていることですから、
夫には「あなたには言われたくない」と言われるかもしれません。
本好きな夫の友人(私の本友達でもありますが)に「和の思想」を勧めました。
共感してくれると思ったのですが・・・
「いったい、どこが、アイツの理解に役立つということになるのか、わからん」
と言われてしまいました。
どうやらこの本は著者の意図をも超えて、私が個人的に深読みし楽しんだのかもしれません。
マラナ・タ
読書の楽しみをくださった神様ありがとう!
私のお気に入りの本の中の一冊
長谷川櫂著 中公新書 740円+税
「和の思想」です。
副題として、異質のものを共存させる力 とあります。
この本は2011年7月7日に、読み終えた後、読書日記に一気に記録してありました。
その記録から、転載します。
3年前に読んだものですが、いまだに強く印象に残っているところがあるのです。
この本も、だれかれに勧めて貸し出しました(笑)
以下・・・・・
とてもおもしろかったです。
とくに、著者のいう「和の概念」と
「家の作りやうは、夏をむねとすべし」の拡大解釈。
この二点にわくわくするほどの共感を持って読みました。
二日で読めました。
クリスチャンになってから、日本人クリスチャンとして生きることに関心が深くなりました。
思考形態がキリスト教国風になってしまうのではなく、ユダヤ人になってしまうのではなく、
キリスト者だけれど、日本人であるのですから。
日本人の思想や習慣を否定はしたくないのです。
それは福音に反するものではないはず。
そういう感じを常々もっている私にとって、この本はお気に入りのひとつになりました。
和食、和服、和室・・・
「和」はいろいろな言葉に添えられて日本的という意味を付け加えているようにみえるけれど、
本来、和とは、異質のものを調和させ、新たに創造する力を指すのだと著者はいいます。
倭の時代から、人々は、外来のものを喜んで迎え、選択・改良を繰り返してきました。
漢字という中国文化との出会いを経て仮名を生み出したように。
和という漢字の意味は
やわらぐ・・・互いの敵対心が解消すること
なごむ・・・・対立するもの同士が仲良くなること
あえる・・・・白和え、胡麻和えのように料理でよく使う言葉であるが、異なるものを混ぜ合わせてなじませること
和とは、さまざまな異質のものを、なごやかに調和させる力。
江戸時代までの文化を「和」と表現した日本文化として固定的にとらえることは、誤りではないか。
本来、和とは固定的なものではなく、さまざまな異質なものを共存させる躍動的な力のことではないか。
なんだかとても共感できました。
外来からのものを、日本に調和させていくにあたって、高温多湿の日本の気候風土が大いに影響しているという分析にも、共感、納得しました。
徒然草の第55段「家の作りやうは、夏をむねとすべし」
「造作は、用なき所をつくりたる・・・・」
家の作りは「用なきところ」一見、何の役にも立ちそうにもない空間を設けるほうが、見た目もよく、かえって何の役にでも立つ。
日本の芸術や家の作りは余白や間を重んじます。
生活様式も、精神構造も、そういえば確かにそうだ。
「夏をもってむねとすべし」
日本人の日本文化の根底に流れているものは、この思想だという発想に、興味をもちました。
日本人の挨拶は、少し離れて「おじぎ」をする。
握手やハグは、ほとんどしませんよね。
教会生活が長くなると、キリスト教文化圏の影響もあってか、握手やハグが、けっこう日常的になってきました。
外国からの留学生と親しくなると、特に、ハグに違和感が無くなってくる。
高温多湿の日本では、そんな暑苦しい接し方はしないという理屈です。
なるほど、なるほど、なぁるほど。
そういう視点で、眺めてみると、夫の気質を理解するのに役立ちそう(笑)
いやいや、実際に、夫理解に役立ちました。
会話もシンプル。
余白、余韻を重んじる。
詳しい説明や念を押す、繰り返しの会話を好まない。
夫が俳句をはじめたら、きっと上達が早いんじゃないかと思います(笑)
数十年、連れ添いながら、「宇宙人」のように思ったりしていたのですが、
きわめて日本人そのもの!
天然記念物的日本人そのものではないのか!(笑)
「天然記念物」とは、常々、私自身が言われていることですから、
夫には「あなたには言われたくない」と言われるかもしれません。
本好きな夫の友人(私の本友達でもありますが)に「和の思想」を勧めました。
共感してくれると思ったのですが・・・
「いったい、どこが、アイツの理解に役立つということになるのか、わからん」
と言われてしまいました。
どうやらこの本は著者の意図をも超えて、私が個人的に深読みし楽しんだのかもしれません。
マラナ・タ
読書の楽しみをくださった神様ありがとう!