機能解剖学的解説★ショルダープレスの手の向き | 澤木一貴オフィシャルブログ「パーソナルトレーニング24」Powered by Ameba

機能解剖学的解説★ショルダープレスの手の向き

 

 

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SAWAKI GYM代表、

機能解剖学講師の澤木です。

 

 

機能解剖学コラムです。

 

 

いきなりですが、みなさんはショルダープレス(冒頭写真)はやりますか?

 

 

私は自分のトレーニングでも好きですが、お客様のパーソナルトレーニングでもだいたい入れています。

 

 

とくに中高年の女性のお客様には必ず入れています。

 

 

え?そんなにモリモリした肩(三角筋)はいらないだろうって?




 

もちろん筋肉をつけたくてやる人は多いと思いますが、私はとくに中高年の女性のお客様には「肩の機能性」を高める、維持する目的でプログラムに入れているのです。

 

 

日常生活で、腕を真上に上げ切る動作ってあまりないですよね。横断歩道を渡る時くらい?



人間の関節の機能は

使うか失うか

 

 

ですから、パーソナルトレーニング中には、普段行わないような動きを入れるのです。

 

 

しかし、ダンベルショルダープレスやマシンショルダープレスで肩が痛くなったという話は後を絶ちません。

 

 

なぜでしょう?

 

 

ここから機能解剖学的な解説をしていきますね。

 

 

人間の肩関節は基本的に、肩甲骨の面に沿って上腕骨を挙げる(肩関節外転)させるのが、最も負担が掛からないとされています。

 

 

*肩甲骨の面=Scapula plane(スカプラプレーン)真横からだいたい30°くらい前方

 

 

 

多くの人のショルダープレスのフォームを見ると、手が常に正面に向かっています。この場合、肘(上腕)が真横、あるいは少し後方(水平伸展位)に向かいやすくなります。

 

 

恐らくマシンやバーベルの構造上、手を前に向ける癖のままやっているのでしょう。

 

 

この時点で、とくに肩に痛みや違和感がなければこのままでも良いでしょう。

 

 

しかし、引っ掛かりがある、コキコキ鳴るなどの症状がある場合は、このフォームは止めておいた方が得策です。

 

 

ここでScapula planeが出てきます。

 

 

肘を少し前に出すようにして行ってみましょう。引っ掛かりが減りましたか?

 

 

このテクニックは、ラテラルレイズも一緒です。

 

 

 

 

また、手は頭の方に向け、腕を挙上するにつれ前に向けていきましょう(肩関節の内旋・橈尺関節の回内)。

 

 

実は、橈尺関節の動きと肩関節の動きは密接に関係しているので、前腕を動かさずに肩関節のみを動かそうとすると、そのギャップから、肩に負担がかかり痛めてしまうことがあります(インピンジメント症候群や肩甲骨関節窩の関節唇損傷)。



筋トレは、とかく見たものを真似するところからスタートしがちだとは思いますが、運動指導者が対価を受け取るサービスとして行う場合は、一歩踏み込んだ身体の知識を身に付けておきたいものです。効果を出すことはもちろんですが、最低限怪我をさせないために。



肩関節の角度、橈尺関節の動き…これらを押さえ、必要に応じてフォームをアレンジすると無駄な痛みを発症させずにショルダープレスを楽しめると思います。

 




是非、機能解剖学の学びを深めて、運動指導に活かして行きましょう!