「一緒に遊ぼう!」

「いいよー。」

 

友達を誘ったり、仲間に入れてもらったりするスキルを身につけることは、定型発達のお子さんであれば、幼児期から知らずのうちに身につけるスキルです。

 

しかし、発達に課題のあるお子さんにとっては簡単ではない場合があります。

 

人と会う機会が少ない思春期の不登校のお子さんでも、おうちで鍛える方法がありますよ!

 

 

✔️どう誘っていいかわからない

✔️わかっていても「断られたらどうしよう」などと不安が先立ち、自分からは声を掛けれない

 

など、相手の表情を読み取ることが苦手、または読み取りすぎて一歩が踏み出せないなど、気質が原因でコミュニケーションが苦手なお子さんがいます。

 

大人の感覚で「モジモジしないで、言えばいいのに」と思ってしまうお母さんもいらっしゃると思います。

 

しかし、コミュニケーションが苦手で、不安が強いお子さんにとって、「自分から誰かを誘う」ことは、ハードルが高いことを理解してください。

 

我が家の不登校の息子(中2)は、小4から行き渋りが始まりましたが、学校からトラブルの連絡などは全くなく、むしろ「良い子」と先生から認識されていました。

 

低学年までは、お友だちとのトラブルもなく、学校では何となく過ごせていたのです。

 

そんな中はじまった行き渋り

 

息子の言動を振り返ると、やっと元々持っている特性を理解できるようになりました。

 

息子は学校から帰る時、毎日いつも1人で走って帰ってきていました。

 

「僕、体力つけたいから。」

 

と言っていましたが、同世代の友だちとの会話、特に複数人での会話が苦手だったからだと、今ならわかります。

 

息子なりに、辛い状況を乗り越える対策を考えた結果が、「1人で走って帰る」だったのです。

 

そんな、コミュニケーションが苦手な息子は、不登校になって家で過ごし、ゲームをする時間が増えました。

 

はじめのうちは、ゲームを楽しんでいましたが、1人でゲームをすることに飽きていました。

 

複数人でのコミュニケーションは苦手なのですが、人との関わり自体が嫌いなのではなく、むしろ、誰かと一緒に何かをしたい気持ちが強いのです。

 

オンラインの友だちも数名いるようですが、時間が合わなかったりして一緒にゲームができないとイライラし始めます。

 

弟が2人いるので「一緒にゲーム、やりたいな」と思うことがあるようでしたが、自分からは声を掛けられずに、イライラする様子が増えていきました。


 

しかし、おうちで私とちょっとしたポイントを押さえたコミュニケーションを意識すると、

 

自分から「一緒にゲームしない!」と誘えるようになったのです。

 

人と会う機会が少ない思春期不登校のお子さんでも、「誘う力」を強化する方法をお伝えします!

 

 

それは、

スモールステップで会話力をアップ!

 

◆ステップ1  お母さんがお子さんを誘う

 

コミュニケーションの基本は2人での会話です。

はじめから、たくさんの人数でのコミュニケーションは、

 

✔️誰が何を話しているのか理解する

✔️どのタイミングで自分が答えるのか

 

など、注意するべき事がたくさんあり、お子さんの頭の中でいろんなことが一度に理解できず、混乱を招きやすくなります。

 

まずは、1番信頼できるお母さんと1対1の会話で、できる事を増やしていきましょう。


例えば、

 

 ✔️割引券の有効期限がもうすぐなんだけど、バッティングセンターに行ってみない?

 ✔️ママ、カラオケ苦手なんだけど、付き合ってくれない?

 ✔️新しく買ったカードゲーム、やらない?

 

など、お母さんから「誘い方」を見せるつもりで色んなことを誘ってみてください。

 

 ✔️行ってみようかな、やってみようかな

 ✔️今日は辞めとく

 

どちらでも、答えられればOK!

 

自分で決断できた事、それを言葉で伝えられた事、冷静に対応できた事など、たくさん褒めてください。

 

注意するポイントがあります。

 

お母さんと何でも話せるような関係性がまだ確立できていなければ、このステップを踏んでも効果は得にくいです。

 

その場合は、お子さんの全てを肯定し、親子の関係性を確立する事にまず取り組みましょう。

 

◆ステップ2 子どもがお母さんを誘う
 

「何かやりたい時は声かけてね!」とサラッと言っておきます。

 

 ✔️一緒にこのラーメン、作らない?

 ✔️一緒にゲームやらない?

 

子どもから何か誘われたり、提案されたりした時は、

 

 ✔️うん!やろう!

 ✔️誘ってくれてありがとう!

 

などと、とびきりの笑顔で答えます。

 

「誘いの成功体験」をたくさん積ませて、誘い方の習得と「誘っても大丈夫!」という小さな自信を積むことが大切です!

 

◆ステップ3 お母さん以外の人を誘う

 

きょうだいやお父さんなど、お母さん以外の人に声をかける練習をします。

 

「お母さんに誘ってくれたみたいに、弟も誘ってみたら?」

「きっと、弟もやりたいと思ってるよ!」

 

ここで、ポイントです。

 

きょうだいやお父さんに、息子(中2)が誘った時は快く「やろう!」と言うように、先にお願いしておきます

 

「コミュニケーション力を上げる取り組みの間だけ!」と説明をして協力してもらいましょう。

家族の協力は不可欠です

 

 

◆ステップ4 1対2以上で会話したり誘ったりする

 

家族や親戚、友だちなどと会う機会を作って、いろんなところに行きましょう。

1度に大人数ではなく、まずは1対21対3というように徐々に負荷をかけていくイメージです。


 

いかがでしたか?

 

まずは、お母さんとの1対1のコミュニケーションで、

 

「会話ができる!」

「話すって楽しい!」

「みんなで遊ぶって楽しい!」

「自分から声かけてもいいんだ!」

 

という感情を積み上げていきましょう!

まずはそこからです。

 

少しずつ、でも確実に前進!

 

参考にしてみてください!