【幕末ゆかりの地めぐり】
高知での幕末ゆかりの地めぐり、最終回です。
姫路への帰り道、最後に立ち寄ったのは【岡田以蔵の墓】なのでした。
幕末の人斬りで一番有名であろう岡田以蔵!
ちなみに【人斬り以蔵】とかの名称は後年につけられたのであって当時は
【天誅の名人】と呼ばれていたようです。
岡田以蔵は作品ではよく
極悪非道の暗殺者として描かれることが多いです。
実際に酒に溺れ、仲間から借金をして、坂本龍馬からも見放され
武市半平太にも汚れ仕事を課せられるという
そういう人物であったそうです。
さるるが高校生の頃に
ヤングジャンプで連載していた【以蔵の青春】
【以蔵の青春】
さるるの中で【しょうもない漫画】のベスト3には入っているだろう作品。
うろ覚えだけど・・・・・剣道が強い高校生の以蔵。
だけど女子に免疫が無くて、すぐに股間が勃興するという性癖があり
それが元でトラブルが起こる・・・・という内容。
お色気と股間だけで前後不覚になるほどチェリーでなかったしねぇ・・・・・。
よくもこんな漫画が9巻まで続いたもんだ・・・・・。(驚)
当時、コウジが「次回ィ!以蔵の青春ンンンッ!」って北斗の拳のね
予告編っぽく言うてたのが当時は爆笑してました。(文字じゃ伝わりにくいけどね!)
昔から笑いのセンスは超一流だったんですよね、彼は。
余談が過ぎた。
この3人が懇意だったのは事実のようです。
土佐勤王党の首領、武市半平太と京都へ。
武市半平太は岡田以蔵を暗殺者として利用するようになります。
暗殺者は大事な会議にも参加も出来ず、使い捨てです。
暗殺者とはそういうものでした。
坂本龍馬、武市半平太と違い
暗黒の道へと突き進む岡田以蔵・・・・・。
本間精一郎の暗殺が有名です。
京都に本間精一郎が襲われた場所に石碑があります。
暗殺者として暗躍していく中で
岡田以蔵は身を持ち崩し、土佐勤王党から見放されてからは
生活に困窮し、ついに強盗を働いて捕縛され
土佐に搬送されることになります。
ちなみに坂本龍馬の紹介で
岡田以蔵は勝海舟を護衛したことがあるそうですが
武市半平太からすれば敵対する人物であり、一級の暗殺対象者でした。
坂本龍馬の頼みとはいえ、そんな人物を護衛するというあたり
岡田以蔵には政治的信条は無かったかもしれません。
勝海舟を襲った刺客たちが岡田以蔵に返り討ちされる事件が起こります。
ちなみに襲った刺客って思想的に岡田以蔵と仲間なんですけどね。
それでも斬ったわけですが
その時の様子を明治維新後、勝海舟はこう語っています。
勝海舟
「君は人を殺すことをたしなんではいけない。先日のような挙動は改めたがよからう」
岡田以蔵
「先生それでもあの時私が居なかったら、先生の首は既に飛んでしまつて居ませう」
土佐に搬送された岡田以蔵を待っていたのは
拷問に次ぐ拷問・・・・これまでの暗殺の取り調べの毎日でした。
山内容堂は腹心、吉田東洋を暗殺した土佐勤王党を心の底から憎んでおり
岡田以蔵に罪を吐かせて、土佐勤王党を断罪しようとしました。
(この頃になると土佐勤王党は弾圧され、次々と仲間が投獄されていきました。)
拷問に耐えかねた岡田以蔵はすべてを自白。
それにより黙秘を続けていた土佐勤王党のメンバーは次々と斬首。
上士扱いだった武市半平太は斬首は免れましたが・・・・・。
切腹を申しつけられます。
(まあ暗殺の首謀者やし自業自得なんやけど・・・・・。)
岡田以蔵の自白によって壊滅した土佐勤王党。
明治維新後、高知県護国神社で志士たちが祀られることになりますが
暗殺者として、仲間を売った人物としての負のイメージが強く
岡田以蔵は拒否されてしまいます。
汚れ仕事をやらされて、利用されて・・・・という同情する余地はありそうだけど。
そんな岡田以蔵の名誉回復は、つい最近のことです。
NHK大河ドラマ【龍馬伝】がきっかけでした。
2010年に岡田以蔵の慰霊祭が初めて行われたそうです。
岡田以蔵の墓はわかりづらいです。
ここで合ってる?
夏だったし、蚊がすごかったねぇ。
なんか人気がないしフツーに怖かったッス!(涙)
同行者はマジで怖がってたねぇ。
(でも連れていくけど)
岡田以蔵のお墓
お花も枯れてしまってる・・・・・。
けっこうポップな字体やね。(笑)
同世代で活躍した志士たちに比べ
お墓も山中にひっそりとあった岡田以蔵の墓・・・・・・。
知名度の割にはなんか・・・・扱いが悪いよな~と思いましたね。
ご家族も苦労されたんじゃないかなぁ?
ちなみに他の有名な人斬りも、みんな非業の死を遂げます。
歴史って後世に脚色され物語されるうちに
史実と異なることが史実として信じられるようになりますよね
たしかに暗殺者ではあったけれど・・・・・。
実は岡田以蔵って9件くらいしか暗殺していないんだってさ。
緋村剣心に比べたら可愛いもんじゃない?(違)
君が為 尽くす心は
水の泡 消えにし後は 澄み渡る空
岡田以蔵の辞世の句です。
君が為・・・・・岡田以蔵は岡田以蔵なりに信じたのでしょう。
当時の高知は辞世の句の通り、澄み渡る空でした。
【幕末ゆかりの地】めぐり