「ほら。早く寝ればいいじゃん」
喧嘩をした次の日の夜。
娘を寝かしつけてリビングに戻ると夫にそう言われた。
喧嘩の原因はSEXをするかしないか。
もう触られたくもないの。
20年以上行われてきた営みは、私の心を傷つけ粉々にした。
「そういう行為が嫌なんでしょ?だったらしなくていいよ」
分かった風な口を聞く。
リビングの片付けをしながら様子を見ていた私に、主人が一言。
「アホらしい」
ウォーターサーバーを力いっぱいに殴り、リモコンを投げ飛ばす。
水が部屋中に散らばった。
「何なんだよ。試してんじゃねぇーよ!!そういう態度が気に食わないって分からねーのかよ!!」
始まった。今晩も。
地雷だらけの言い争い。どこを歩いても爆発する。
大声で怒鳴り、何が飛んできて何が壊されるのか分からない恐怖。
「もういいよ!終わり終わり!!」
「話すだけ無駄じゃん。話しかけんじゃねーよ!!」
終わりの見えない、怒声の嵐。
眠るために、不貞腐れて横になる貴方の物を口に含む。
噛みちぎりたい衝動を抑え、股を開き上に乗る。
耐えろ。耐えるんだ。
早く終われ。
布団に入り、5分もたたないうちに聞こえる寝息。
嗚咽を必死に堪え、ボロボロに泣いた。