ストーリー

プロローグ

関東最大の暴力団である山王会の若頭を務める加藤は同会の会長・関内の意向を汲んで、山王会系池元組々長・池元に池元の兄弟分である村瀬組々長・村瀬と距離を置くように命じる。

板挟みとなった池元は村瀬組との関係が悪化しているように見せかけるため、自身の子分にあたる大友組々長・大友に村瀬組の事務所に銃弾を撃ちこむよう命じるが、村瀬組との抗争勃発を懸念した大友は村瀬組が経営するぼったくりバーに大友組の組員を送りこみ、池元の命令とは異なる形で村瀬組との火種を作ろうと画策する。

村瀬組対大友組

自身の組の若衆が池元組の下部組織である大友組とトラブルを起こしたことを知った村瀬は池元組との対立を防ぐため、当事者である村瀬組々員・飯塚に指を詰めさせて村瀬組若頭・木村と共に大友組の事務所に侘びにいかせるが、激昂した大友が木村の顔面をカッターで斬りつけたことから両者の遺恨はますます深まってしまう。

大友組との手打ちにしくじった村瀬は池元に直談判するが、村瀬と表立って対立したくない池元は本件への関与を否定したことにより大友組は矢面に立たされてしまう。

手打ち

村瀬組と大友組の双方に死傷者が出たところで山王会が介入し、村瀬の名目上の引退を条件に両者は手打ちとなる。手打ちに納得のいかない木村が独断で大友を襲撃するも失敗に終わり、大友の大学時代の後輩である警視庁のマル暴・片岡の計らいによって抗争は終結する。

大友組が池元組の先鋒として村瀬組の縄張りの管理にあたっていると、村瀬組と繋がりのあるディーラーからグバナン大使館が違法薬物の温床になっていることを聞きだす。

大友組はより大きな利益を手にするため美人局で駐日グバナン大使の弱味を握り、大使館の中に闇カジノを作らせることに成功する。

闇カジノ

闇カジノは大友組に大きな収益をもたらしたが、池元がカジノに入り浸るようになると次第に客足も遠のきはじめる。カジノに来ないよう大友が池元を説得するが聞く耳をもたず、池本の存在は大友組の大きな悩みの種となる。

闇カジノだけでなく違法薬物の売上が下がったことに疑念を抱いた水野は、引退したはずの村瀬がシャブの売買に手を染めていることを突き止める。大友は池元の命令で自ら村瀬を射殺するが、関内の策略によって池元に破門を言い渡される。

池元は大友を破門してからも闇カジノに通いつめていたが、激昂した大友に拷問の末射殺される。

権謀術数の果て

大友組の闇カジノを集中に収めたい関内は池元組若頭・小沢が池元組の跡目を継ぐための条件として大友組の殲滅を言い渡す。小沢組および山王会を敵にまわした大友組は瞬く間に壊滅状態に陥り、組員らを失った大友は片岡の説得を受けて自首、服役する。

関内は小沢に約束どおり池元組を継がせると言い渡した直後に加藤に小沢を射殺させるが、加藤の裏切りによって自身も射殺されてしまう。

加藤は関内殺しの罪を小沢に着せ、山王会々長の座に収まることに成功する。

片岡は会長を継いだ加藤と大友組を裏切り山王会に加担したことで加藤の側近に取立てられた石原の許を訪れ、大友が獄中で木村に刺殺されたことを告げる。

 

感想

「全員悪人」というキャッチコピーが示しているとおり、アウトレイジの主要な登場人物はみな例外なく悪人ですが、同情の余地のない極悪人からどこか憎めない小悪党まで、キャラクターによって悪徳の度合いに大きな開きがあります。

本作の主人公である大友の視点から見れば、大友組を破滅においこむ原因を作った池元が大きな悪であるように思えますが、実際のところ池元は山王会という巨大な組織の歯車にすぎず、関内会長の手の上で踊らされた哀れな被害者であると言えるでしょう。

その関内もまた加藤の謀略で因果応報の如く命を落としてしまうように、アウトレイジでは食物連鎖の如き権力闘争の様子が生々しく描かれていますが、真の悪人が誰であるかは明確に示されていません。

2作目以降の感想は書くかどうかはわかりません。