ストーリー

瀬田大臣の息子が所属していると思われたテロリスト「ジャッカロープ」のリーダーは大学の講師・根津秀雄(野仲イサオさん)だったが、根津は戦場パーティーの最中に何者かに刺殺される。

根津殺害の犯人は犯人は菱河コーポレーションの環境事業部長・遠藤昌人(三浦浩一さん)

実はジャッカロープを裏で操り爆破事件を起こしたのは遠藤。彼は任されたプロジェクトで損失を出してしまい、穴埋めに金が必要で、助成金を返金しなくて済むように根津にコンテナ爆破を依頼した。

遠藤と根津がやりとりしていたのは駅のコインロッカー。
「駅のコインロッカーなんて」

「なぜコインロッカーとわかったのか」(右京さんはこの時、「」としか言っていなかった。)

遠藤はプロジェクトに損失が出て穴埋めに金が必要となり助成金を受け取りながら何も開発をしなかった、助成金を返金しなくて済むように根津にコンテナ爆破を依頼した、根津にさらなる金を要求されてつかみかかったら根津がナイフを出してきてもみ合ううちに刺してしまったのであった。
ありもしない開発品を『ジャッカロープ』 に依頼して爆破させる 「天災およびテロの場合は返還不要」 という免除事項を悪用しての計画的な不正だった。
遠藤は、「根津を船に呼んだのは私ではない」という。

根津を船に呼んだものが遠藤とは別にいた。

 

姉川が「和哉は環境省の助成金も自分で取ったと聞いている」と言ったのを聞き、右京は姉川に「誰から聞いたか」と質問、姉川は「野上から聞いた」と答える。そして瀬田に連絡を取るよう頼み、話を聞く。

根津を船に呼んだのはフリーライター・野上昶(中本賢さん)

野上の故郷は27年前に菱河石油化学の工場ができて、村は潤ったが母が死に、多くの人も同じ病気で死んでいった。野上の父は近所の大学に頼んで原因物質を突き止めたが工場は相手にしなかった。

父は裁判を起こすことにして、法廷闘争を引き受けたのが瀬田だった。
だが瀬田立ち会いの下で調査したが原因物質は出ず瀬田は諦めて逃げた。結局一度も裁判にならないまま父は母と同じ病気で死んだのである。その後、野上は成長してフリーライターになり、遠藤の身辺を探っていて根津との関係(爆破の依頼)を知った。
瀬田を失脚させようともくろみ、和哉に水質汚染の工場の話をして誘って人けのない所で襲って荷物などを奪い停電の爆破の現場に時計を残すなどして和哉が関与しているように装い瀬田を失脚させようとしたのだった。
「父は謝りながら死んだがその原因となった瀬田が法務大臣になるなんて許せなかった」

 

「30年前のことをなぜ」と言い放つ遠藤だったが、数十年経った現在、野上が一連の事件を起こしたのには理由があった。
野上は公害の後、誰も恨まず穏やかに過ごしていたのだが、唯一の妹が30年近くの時を経て、発病し亡くなった。そのことから今まで封印してきた「恨み・憎しみ」が湧き、復讐することを計画・実行に移したのであった…。

 

「野上さん、あなたの目的は達成されました。爆弾を捨てなさい。」という右京の言葉に、野上は遠を突き飛ばして逃走し、自殺を図るが、姉川が野上に体当たりし、彼の自殺を阻止。

 

右京と姉川が拘置所の野上と面会。

裁判をできなかった本当の理由は遠藤が原告団にお金を渡したことで原告団がバラバラになった。しかしそれで裁判を諦めたらリーダーであった野上の父が世間の非難を浴びるため瀬田が自分を悪者にすることで野上の父を守ろうとしたのだろう。

野上はそれも受け入れようとしないが、そこに瀬田が来て「大臣は辞任する」と切り出した。

「裁判を取り下げる前にあなたの父と会った、『私が悪い』と言ったのに対して『あなたは正しい』と言わなければならなかったのにそれができなかった」
だが、野上のほうも心の中では気づいていた。

「謝らないでください、それじゃ父と一緒、僕だってあなたのせいじゃないってことぐらいわかってる…」

感想

放送当時の感想は亀山ロスへの物足りなさとその後に対する考察が多くて、このエピソードの感想は少ないですね。
私も亀山だったら?という見方もしましたが、当時も今も面白く見れますね。
再放送を視聴しましたが、若干の不満は同じ徳永さん脚本の「沈黙のカナリア」と犯人の動機が似ている点ですね。
テロリストが大々的に動いてる事件だから、公安の刑事と組ませて、次期相棒の布石にしても良かったんでは?と今さらながら思ったりもしました。
姉川さんと冠城の共演も見てみたいですね。
渡さんの存在感もスゴいです!

犯人や環境問題を問うテログループが、鉄道を狙うと考える警察上層部にガッカリでした。

そもそも、モータリゼーションの推進によって、公共交通機関が衰退し、大気汚染なり、二酸化炭素の量が増えました。

しかし、近年公共交通機関が見直され、自家用車の使用を減らすことで、二酸化炭素の削減につながるわけです。

鉄道も二酸化炭素を排出しますが、他の公共交通機関と比べても排出しません。だからこそ、テロリストは鉄道を標的にしなかったと思います。