肉好きの経済思想誌

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肉好きの男による経済思想誌

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11月22日の日曜日は大阪の府知事、市長のダブル選挙です。

そして、例によって現市長の橋下さんが選挙活動に勤しんでいるわけですが
(政治家引退するって言ったような気がしますけど)そのやり口は相変わらずえげつないようです。

まず嘘が多いですよね。橋下さんはあまりに嘘が多い。

【「負ければ即引退マッチ」詐欺】
【「おおさか」は大阪じゃないんだよ詐欺】
【臨時党大会で解党したよ詐欺】
【お金は全て国に返すよ詐欺】
【僕って法律の専門家なんだよ詐欺】

橋下徹大阪市長が自ら「デマ」を「捏造」し1日に3度もツイートで批判殺到→翌日もまた…|NAVERまとめ

まるで、ばれたって構わないといわんばかりに嘘をつきまくっています。

そして大阪維新の会が、都構想反対でおなじみの京都大学の藤井教授のメール(=私信)とされるものを入手(傍受?)し、藤井教授の承諾なしにマスコミやホームページに公開するという暴挙に出ました。

維新BPO申し立て問題:知ってほしい7つの論点
『「私信」の「公表」は、明確な憲法違反を含む法律違反である。大阪維新の会は、如何なる入手経路であれ、入手した「私信」を、それを「私信」であると認識しながら、自分自身の「ニュース」のHPに公開しています。これは「通信の秘密」の保護の憲法21条違反であり、「プライバシー権の侵害」であることは決定的・確定的です。』

怖いですよね。政治団体が私信を傍受し、無断で公開する。ディストピア映画みたいですね。

でもこれは、いま大阪で起きていることなんです。

しかし、こんな滅茶苦茶をやっているのに、なぜ橋下さんは(大阪でのみ)あんなに人気があるのでしょう。

大阪の人たちは、なぜ橋下維新に熱狂するのでしょう。

”そういう現象”について、1939年に書かれた本があります。

その本は『経済人の終わり』

著者はあのピーター・ドラッカーです。

ドラッカーは”そういう現象”について、3つの特徴的な症状があると分析しています。

(1)積極的な信条を持たず、もっぱら他の信条を攻撃し、排斥し、否定する。
(2)政治と社会の基盤としての権力を否定する。すなわち、その支配下にある個人の福祉向上のための手段として政治権力や社会権力を正当化する必要を認めない。
(3)"そういう現象"への参加は、積極的な信条に代わるものとしての約束を信じるためではなく、まさにそれを信じないがゆえに行われる。

なかなか的を射ていると思いませんか。
(2)はわかりにくいかもしれませんが、要は開き直ってるということです。

(1)は橋下さんのツイッターを見るとよくわかりますよね。一日に何十回も他者を攻撃するツイートをしていることもしばしばあります。(公務時間中でも!!)

そして、衝撃的なのが(3)です。

橋下維新の支持者は橋下さんの発言を信じたからではなく、信じていないからこそ支持するということです。

なぜそんなことになるのか。それは、大衆が現状に絶望しているからだとドラッカーは言います。

絶望した大衆は破滅的な奇跡を望みます。

『ジャムをなめようとして瓶を壊した子供は、見つかればひどく叱られることを知っている。そこで見つからないようにと祈り、望み、信じられないまま信じようとする。(中略)子供は、天使が助けにくること、家が燃えてなくなることを願う。』(経済人の終わり)

橋下維新の改革が実行されれば、住民の生活が破壊されるのは想像に難くありません。

それは、住民の多くが予想できているし、一部実感しているでしょう。

それでも、停滞した現状を打破してくれる"刺激"を求めているということではないでしょうか。

現状を打破する(打ち破る)とは、まさに『家が燃えてなくなること』を願う気持ちなのだとわたしは思います。

『経済人の終わり』で書かれている"そういう現象"とはファシズム全体主義であり、その中心にいたのはヒトラー率いるナチスです。

橋下維新がヒトラー・ナチスだと言いたいわけではなく、いまの大阪の大衆心理がナチス台頭前後の状態と酷似していると思ったわけです。

11月22日の投票は、家を燃やして全てなかったことにするか、瓶を割った間違いを認めて前に進むか(改革=リストラを進めることは前に進むとは言えません)を決める投票です。

それでは、きょうはこのへんで


大阪で起きてることをもっと知りたい人は
サトシフジイドットコムをチェック!
久しぶりの更新です。

仕事で疲れて家に帰ってくると、ネットでトランクスがdisられていました。
なにごとかと思ってみてみると、結構味わい深いはなしだったのでブログに書きます。

トランクスというのはドラゴンボールのトランクスのことで、こんな記事がでていました。

【悲報】DBのトランクス、馬鹿だった
http://konamikan.com/articles/23058.html

この記事では、劇中でトランクスだけが「雰囲気」を「ふいんき」と言っていることを指し

「トランクス、馬鹿だった」

と言っています。

確かに、ベジータ、人造人間17号が「ふんいき」といっているのに対し、トランクスだけが「ふいんき」といっています。

トランクス、馬鹿だったんでしょうか?それとも誤植?

しかし、やはり、まずはのまんま素直に読んでみるのがいいと思います。

つまり、ベジータや人造人間17号は「ふんいき」で、トランクスは「ふいんき」なんです。

トランクスは18年後の未来からきた少年です。
未来では雰囲気のよみかたは「ふいんき」になっているのかもしれません。

現在でも話し言葉では「ふいんき」という人が多いですよね。
私も無意識に言っているかもしれません。
テレビでもよく聞く気がします。さすがにNHKのアナウンサーは使わないかもしれませんが。

ことばは時代とともに変化していきます。
長い時間をかけて、発音しやすいように変化した読みを「慣用読み」というそうです。

以下、「ふいんき」で検索して出てきたページの紹介です。

日本語研究室 - 「雰囲気」は「ふイんき」!?~慣用読みの今~ -
http://www.tv-asahi.co.jp/announcer/nihongo/labo/lab_016/body.html

このページによると、慣用読みの語句は雰囲気以外にもたくさんあります。

①輸入 ②見参 ③惨敗 ④独壇場 ⑤堪能
の読みは
①ゆにゅう ②けんざん ③ざんぱい ④どくだんじょう ④たんのう
ですよね。

でも、もともとはこう読むのだそうです。
①しゅにゅう ②げんざん ③さんぱい ④どくせんじょう ⑤かんのう 

これは知らない人も多いんじゃないでしょうか。わたしは知りませんでした。

これらの慣用読みは完全に定着していて、辞書を引いても輸入は「ゆにゅう」ですし、
「しゅにゅう」と打っても輸入とは変換されません。

ちなみに冒頭の記事で『トランクス「ふいんき←なぜか変換できない」』というコメントがありますが、iphone、Macbookで変換しところ、「ふいんき」で変換できました。

「ふいんき」もだいぶ定着してきているようですね。

いずれ辞書にものり、活字のふりがなにも登場するのでしょう。

トランクスがいた未来の世界はそうだったのかもしれません。

トランクスの「ふいんき」発言は、18年間でのちょっとしたことばの変化が描かれていたのかもしれないですね。


わたしが言いたかったのは、ことばというものはやわらいものだから、あまり正しいとか誤りであるとか言ってもしょうがない(これももとは「しようがない」)ということです。

わたしがそう思うようになったのは最近のことで、きっかけはこの人のツイッターを見てからでした。

飯間浩明
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki

この人は国語辞典の編纂者で、まさしく日本語のプロです。

飯間先生は文章を読むとき「正しいか誤りか」ではなく「通じるか」「誤解が生まれないか」に注意するそうです。

「正しさ」にこだわると、どこまで歴史をさかのぼればいいのかという話になります。
普通の人は、辞書にのっているのが正しいことばだと思いますが、飯間先生は辞書の編纂者ですから、当然辞書を基準にはできないわけです。

では何を基準にするかといえば、はやり世間でどう使われているかではないでしょうか。

まず辞書があるのではなく、さきに生活があり、そこで使われている言葉をまとめたものが辞書なんですね。

ことばというものは、そういう、曖昧で、みんながなんとなく共有しているものなんです。
憲法なんかも本来はそういうものですよね。

飯間先生のツイートは、日本語に対する愛にあふれたものばかりで、読んでいて面白いし、暖かい気持ちになります。

これが本当の達人なんだなあと感心しました。

今回のトランクス問題も、是非飯間先生のご意見を如何ってみたいですね。


なんだかとりとめのない話でしたが、きょうはこのへんで。
おはようございます。

今日、5/17(日)は大阪市を廃止して特別区を設置する是非を問う住民投票が大阪市で行われます。

住民投票で1票でも賛成が上回れば、大阪市は消滅します。

大阪市が無くなるのが嫌な大阪市民は投票用紙に「反対」と記入しましょう。

投票用紙には大阪市を無くすとは書いてありません。

でも無くなるんです。

だから大阪市が無くなるのが嫌な大阪市民は投票用紙に「反対」と記入しましょう。


この手の住民投票で「反対」票を投じることには少なからず抵抗があると感じている方も、実は多いのではないでしょうか。

そう感じるのはとても自然なことだと思います。

反対するのには勇気がいります。

今回の住民投票は大阪の今後100年の栄枯盛衰を方向付ける投票です。

それは、とても重い判断ですよね。

しかも困ったことに、どうすれば大阪が栄えるのか、専門家でない私たちには分からないのです。

専門的な知識を要する難しい選択を、十分な情報も与えられない状態で判断しなければならない。

こんな状況に置かれたとき、有権者には大きなストレスが生まれます。

そのストレスから逃れたい有権者が取りやすい行動は以下の2つではないでしょうか。

①投票に行かない・白票
②とりあえず「賛成」

①は「判断しない」ということですね。
住民投票の結果大阪がどうなっても、自分の判断のせいではないと思うことが出来るということです。「悪いのは間違った判断をした人たち」と、問題と自分を切り離すことができます。まあ、そんなのは現実逃避なんですけどね。

②は分かりにくいかもしれません。
「とりあえず「反対」じゃないの?」と思った方もいらっしゃると思います。

しかし、そうではないんです。
「反対」よりも「賛成」と投票する方が、有権者のストレスは大幅に小さくなると考えられます。

それはこういうことです。
大阪市長は「(大阪市を廃止して)特別区を設置していいですか?」
と問いかけています。

それに対し、
「反対」票を投じて大阪が衰退した場合、自分のせいで大阪が衰退したということになります。

しかし、
「賛成」票を投じた結果大阪が衰退した場合、「橋下市長に騙された」と問題と自分を切り離すことができるのです。

ですから、有権者には「賛成」したいという、強い誘惑があるのです。

しかしその誘惑とは、「騙されたい」という誘惑です。

民主党が政権を獲得した選挙のとき、民主党は「事業仕分けで財源は確保出来る」と言っていました。しかし、事業仕分けをしても財源は出てきませんでした。

有権者は「民主党に騙された!」と憤ります。

しかし、本当に民主党を信じていたんでしょうか。

私たちは、進んで騙されたんじゃないでしょうか。

昭和の文芸評論家、小林秀雄は言います。
「信ずる力を失うと、人間は責任を取らなくなるんです。
そうすると人間は、集団的になるんです。解が欲しくなるんです。
自分でペンを操ることが信じられなくなるからペンクラブが欲しくなるんです。
ペンクラブは、自分流に信ずることはできない。
クラブ流に信じるんです。そんなことは無い。
クラブ流に信じるからイデオロギーってのがあるんじゃないか。
そうだろ?
自分流に信じないからイデオロギーってものが幅をきかせるんです。
だからイデオロギーは匿名ですよ、常に。責任を取りませんよ。
そこに、おそろしい力が有るじゃないか。
大衆・集団の力ですよ。
(中略)
こういうときの人間なんてものは、まあ恐ろしいことになる。
だけどその恐ろしいものは、集団的になるとあらわれる、僕らの持っている精神ですよ。悪魔ですよ。」

ヒトラーも民主的な選挙で選ばれましたが、ピーター・ドラッガーによれば、民衆はヒトラーを信じてはいなかったそうです。

第一次世界大戦後の長引く不況(ハイパーインフレ→デフレ)に沈むドイツで
「一度やらせてみよう」
「とにかく現状を変えてくれそう」

という気持ちで投票したというのです。

確かにドイツは変わりました。
しかし、それは停滞から破滅へと舵を切ったということだったのです。

かつてのドイツや今の日本のように長期の不況が続くと、必ず「抜本的な改革」を進めようとする者が現れます。

そしてそれは「今のままで良いのか?」と私たちに語りかけてきます。

しかし、「今のままで良いのか?」と「過激な改革」を進めるのかは別問題です。

私たちは大阪をただ変えたいわけじゃない。大阪を良くしたいのです。

大阪を良くするためには、大阪を悪くする可能性がある事に対し、徹底的に慎重にならなくてはいけません。

それではどうしたら良いか。大阪にとって良いものかわるいものか良く分からない場合、和有権者はどう判断したら良いのでしょうか。

藤井教授はこんな風に考えて欲しいと言っています。

要拡散!! 都構想、迷っている人にはこう教えてあげよう!
http://satoshi-fujii.com/150516-11/
「例えば、今、ここにまんじゅうがあったとしましょう。
 ある人は、これは、おいしいですよ、と言っている。
 別の人は、これは毒だ、トンデモない病気になる!って言っている。
 でも、あなたには、どっちが正しいか、全然分からない。
 そんな時、あなた、食べますか?食べないですか?
 …そりゃ食べないですよね?
 だって食べたら、ひょっとしたらエライ事になるかも、なんですからw
 だから、危ないかも…っていう場合には、
 「反対」するのが当たり前の態度だと思いますよ。
 もちろん、毒が入ってるかどうか、食べたらどれくらい
 良いことがあるかガッツリ調べるのが一番いいに決まってます。
 でももし、もうその時間が無い…と思うんだったら、
 食べない方が身のため。それが当たり前の理性的な判断、ですよねw
   ……
 あっ、そうそう。それから白票は最悪! 
 下手したら、食べたないのに無理矢理食べさせられる様になるかも
 しれへんからなぁ。投票は行きやぁ!」


私もそれが理性的な判断だと思います。

まして今回の住民投票の結果は、自分だけではなく家族、友人、これから生まれてくる子供達にも影響することです。

私には投票権がありません。

大阪市を守れるのは大阪市民のみなさんだけです。

反対するのには勇気がいります。

「騙されたい」という強い誘惑に打ち勝って、

勇気を持って「反対」の意思を示して頂きたい。

堺市民には出来ました。ならば大阪市民にできないはずがありません。


それでも、どうしてもこのままじゃ大阪が心配という方は、藤井教授の「対案」を聞いてみてください。
めっちゃワクワクします。

「「大大阪構想」を進めよ!」 (超人大陸・藤井聡教授シリーズ8)
https://www.youtube.com/watch?v=9ew0mOTeLUU&feature=youtu.be


小林秀雄の引用がピンと来た人も来なかった人も、是非この短編アニメをご覧ください。
イブセキヨルニ
http://animatorexpo.com/ibusekiyoruni/


それでは、大阪市が千代に八千代に続くことを願って、今日はこのへんで、、、


大阪市消滅確定まで あと0日




大阪都構想が日本を破壊する (文春新書 1020)
『「自治体として自殺するか否か 」が問われている』



意思決定の処方 (シリーズ・行動計量の科学)

フジイサトシドットコム「大阪都構想」を考える~権力による言論封殺には屈しません~
http://satoshi-fujii.com