安倍晋三元総理の事件から統一教会と自民党とのつながりが連日報道されていますが、
なぜ、自民党が旧統一教会と繋がりを持っているのか
その歴史的な背景については一切報道で触れられていないような気がします。
私自身『元来の宗教』と『新興宗教』は大きく異なると考えており、釈迦やキリストの言葉については敬意を持っておりますが、旧統一教会をはじめ幸福の科学、エホバの商人、創価学会等大小関わらず新興宗教については自身の考え方として否定する立場にある事を前提として書きます。
(否定理由は今回の主旨とは異なるので書きません。また機会があればで)
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以上を前置きとして書きたかったことは、なぜ自民党と旧統一教会に繋がりがあるのかです。
そして・・・その歴史的背景をなぜマスコミが伝えないのかも謎です。
統一教会とのつながりについては随分と歴史をさかのぼらなければなりません。
第二次世界大戦敗戦後、旧ソ連により多くの旧日本軍兵士や民間人がシベリア等に抑留されました。
この数はおおよそ70万人とも80万人とも言われ、本国への引き上げは終戦から11年後の1956年に完了しました。
そして、多くの日本人がこの抑留期間中に強制的に共産主義の洗脳教育を受けました。
逆に言うと、共産主義者にならなければ自身の命すら危うい過酷な状況に置かれていたとても悲しい歴史の涙です。
抑留されている日本人を何とか日本に帰還させなければならない。
しかし、帰還する日本人の多くが共産主義教育を受けている。
これに対して日本が共産党化していく事に強い防衛ラインを作らなければならないという日本の意思と共に、当時アメリカでも国を挙げての赤狩りが行われ、そのアメリカの赤狩り等は全てが容認できる事ではありませんが世界の自由主義・資本主義陣営が大変な危機感を持っていたのも事実です。
日本は単独講和による独立から日本国家を運営していくにあたり、日本の共産党化を大きく3つの流れで食い止めてきました。
(合法非合法あわせて・・)
そのうちの一つが統一教会をはじめとする反共主張の宗教団体です。
(残りの二つについてはブログで書くにはストレートな言葉を使う事が憚られる為、省きます)
この食い止めがなければ、日米安保も存在しなかったし、国鉄のシベリア抑留者大量雇用がなければ共産党武力革命等は目の前に迫っていました(昭和30年代初頭)。
米英を中心とする西側諸国と旧ソ連を中心とする東側諸国の冷戦構造に独立したばかりの日本が巻き込まれ、それに対して西側を死守するために日本が苦肉の策で取った防波堤のひとつとして、統一教会と付き合わざる得なかった(あるいは利用した)というのが歴史的事実でもあります。
今現在の付き合い方の賛否はあると思いますが、当時は日本愛国党という政党も存在していたし、実力部隊として日米安保反対運動等に身をもって対決していたのも事実です。
反共を標榜する統一教会との繋がりも、その当時に生まれてきました。
愛国党は自然消滅し、生き残った大物右翼も夫々形を変え、田中角栄氏のロッキード事件と共に全ての影響力を無くして行きました。
その時、地に潜りひそかに政治活動をしていたのが統一教会だと思われます。
統一教会において最も問題なのは、その団体を維持していく為の集金方法でありこれについては到底是認できるものではありませんが、90%を超える多くの信者が自ら喜びお布施をしていったのも悲しい事実です。
お布施をしていった人や巻き込まれた人の一部の中で、システムに疑問を持ち異議を唱え被害者団体を結成し法廷闘争まで行われているのが実情ですが、オウム真理教などとは異なり犯罪を犯している訳ではありません。
つまり、日本の憲法である信教の自由に保障された中で、合法的に最大限狡猾なやり方でお金を集めて行った集団であると私は考えています。
統一教会のやり方を是認する事は出来ませんが、政治となぜ絡んだのかという歴史的背景もマスコミには伝えて欲しいものです。