オリンピックは毎回どの競技にも物語があり、感動がありますが
北京オリンピックの女子フィギュアスケートも様々なことがありながらもワリエワ選手も含め全ての選手に「ありがとう」と言いたいです。
ワリエワ選手に関してはドーピング問題が起こりましたがこれについて本人の責任にするのはあまりにも酷で、１５歳という年齢から考えても周りの大人や保護者の責任だと思いますし・・・正直彼女の意思での摂取とは思えません。
ワリエワ選手自体がそもそも非常に実力のある選手ですし、彼女の柔軟性を活かしたキャンドルスピンをはじめとする他の技も凄いです。
だからこそ、彼女自身が今の技術を身に着けるまで想像を絶する努力があり、その為に多くのものを捨ててきたはずです。
自分の全てをかけて挑んだオリンピックにも関わらず、世界中で自分の名前の「ドーピングをした」という枕詞が付き、ニュースやSNSで様々な批判にさらされて耐える事の出来る15歳などいるはずがありません。
オリンピックまで無敗を誇り、誰も彼女に勝つ事が出来ないという事から「絶望」という異名が付けられた彼女ですが、発覚後どれほどの「絶望」を抱えて過ごしたのかを考えると、それでもSP・FP共にリンクに立ちパフォーマンスをしただけでも、私は彼女に「頑張ったね」と拍手を送らずにはいられませんでした。
渦中にいない私たちが客観的に批判をしたり、一般論を唱える事は容易ですが15歳というまだ若く、そして才能あふれるスケーターの選手としての未来だけは守ってあげて欲しいと心から願っています。
↑ワリエワ選手のキャンドルスピン(現在コレが出来る現役スケーターは彼女だけなのでは？)
他の選手に関してもこの状況の中、自分の持てる力を最大限発揮しようとしたそのパフォーマンスは本当に感動的でしたし、パーソナルベストの更新に涙する選手の姿を見て、「1位」ではなく「より以上」とか「自分越え」を目指しリンクに立ってパフォーマンスをされたのだと思うと・・・他者に勝つ事以上に自分に勝つ事の大切さや尊さ、そしてそれを実際にしていく事が如何に困難な事かを教えられました。
また、日本に久しぶりのメダルをもたらしてくれた坂本香織選手、本当にありがとう！そしてお疲れ様でした。
スケートは一ファンなだけで技術的な事等はわかりませんが、坂本選手のスケートに何となく92年アルベールビルの伊藤みどりさんを彷彿とさせるような気がしたのは私だけでしょうか。
自分のスケートを徹底して磨く、持ち味や強味を大切にしていった結果の堂々の銅メダルですし、坂本選手が年齢を経る毎に進化していくスケートは、その時々の自分の体形や心の成長から作られる「今が最も美しく素晴らしいスケート」を証明しているようでした。
ジャンプ至上主義の現在のフィギュアスケートではどうしてもフラットな体形や身長が影響してきます。
ロシア勢に見られるように、ザギトワ選手ですらまだ１０代にも関わらず現役を引退してしまいます。
けれど、日本勢については年齢を経る毎に成熟するメンタル、そしてそこから生まれる表現力、体形の変化を乗り越えて作り上げて行く技術・・・それらが様々に融合して「今が最も美しいスケート」が育まれているように思います。
かつて浅田真央さんが15歳でスルツカヤ選手を破り世界一になった際の演技より、ソチで滑ったフリーの方が素晴らしかったし、「記録」以上に「記憶」に残り続ける演技だったように・・・
オリンピックという場に立つだけですごい事ですし、
我々の目に触れる事のない選手達がしている努力は並大抵のものではありません。
フィギュアスケートに限らず、スノーボード、スケート、スキー、カーリングをはじめ様々な競技で世界中の選手の凄まじいパフォーマンスやインタビュー、感動的なシーンがたくさんありました。
全てのオリンピック選手に心から全力で敬意の拍手をおくりたいです。
