今年新成人となられる若い皆様には本当に心からお祝い申し上げます。
また、今年は一生に一度の成人式が中止や延期になり悲しく残念な思いをされている学生さんも多い事と思います。
弊社の研修にも大学生の方がいらっしゃいますので、成人式の中止については他人事のように思えません。
数日前、お昼ご飯を食べている際に隣のテーブル席の学生さん達が成人式の事を話題にされていました。
その時に「式典よりそのあとの飲み会が楽しいのに」とそれぞれにおっしゃっていました。
おそらく、それは多くの学生さんにとっての本音なのだと思います。
ただ、こんな時だからこそ、逆に「成人の日」とは何かという自分なりの定義を作ってみると
もしかすると・・・「楽しい」は無理でも「有意義」な日を創れるのでは・・・と感じました。
実は、私は成人の日は式典には参加せず、友達とも会う事もなく一日を終えました。
もちろんその当時何かの感染症があったわけではありませんし、周りのお友達は式典に参加し飲み会も開催していました。
私も当然のごとく写真を撮って、式典に行って、お友達と飲んで・・・そんな一日を過ごす事をずっと予定していました。
ただ・・・ちょうど成人の日の半年前に
「成人の日って何のためにあるんだろう？」
「成人になるってどういう事かな？」
と考えるきっかけとなる体験をしたことで、「成人の日の過ごし方はこう！という固定観念で考えていなかっただろうか」と思ったわけです。
「成人」になるとは社会から大人と認められる日
そして「成人の日」とは新しく社会人の一員となる子供たちを社会がお祝いしてくれる日です
じゃぁ、成人になるとは・・・？
成人と未成年の違いは・・・？
と考えたときに「社会に対してその一員として責任を背負う年齢の区切り」だと思いました。
衣食住が整った環境で学校に通わせてもらえたのは両親のお陰ですし
子供の頃に私が受けた福祉や行政サービスも働いている方たちの税金ですし
本当に社会に生かしてもらってきたんだと思いました。
自力でしたことなんて何もなく、自力と思っている事も全て土台として他力を頂いての自力だったなと・・・
何より平和な時代の日本で生きる事が出来たことを考えると・・・・きりがありません。
そうやって社会に生かしてもらって来た未成年から、今度は社会を支えていく一人になって行くのが２０歳です。
だとすれば、この「成人」になる初日を自分はどう過ごしたいのか、どう過ごすべきなのか・・・
すると、お友達と飲みに行く必要はないなと・・・・当時の私は思ったわけです。
それよりも２０年間育ててくれた両親や、祖父母、お世話になった親族や、両親同様娘のようにかわいがって下さった恩師にお礼を伝え、これからどんな社会人を目指すのかを伝えに行きたいと思いました。
もちろん、これは当時の私自身が勝手に作った成人の日の過ごし方でした。
今思えば式典だけは行けばよかったな(笑)とも思いますが、
当日ご挨拶に行きたいと思った方々の訪問件数を考えるとどうしても時間が足りなくて式典も欠席する事にしました。
このやり方が正しいとか、お友達と過ごす事が間違っているとか、
これがえらい過ごし方でこれはかしょうもない過ごし方です、とかを言いたいわけではありません。
なんとなく「成人の日」はこう過ごす日というような固定観念に縛られているのだとすれば
それを外して自分なりの「成人の日」の定義を創るだけで、その定義に合う過ごし方が出来るはずなんです。
そうすると、たとえ式典が延期や中止になっても、お友達と飲みに行けなくても
その人にとっての「有意義」な成人の日を新成人の皆さんも過ごせるのではと思いました。
仲良しの親友と会いお互いにお祝いして過ごす成人の日もきっと楽しかっただろうなと思います。
私自身はその日は着物であっちこっちに移動をしながら本当に大変で・・・
「楽しい」は少なかったかもしれません、けれど「有意義」でした。
この１年間、社会人もですが、子供たちにも多くの犠牲が強いられました。
昨年の卒業式の中止や甲子園・インターハイをはじめとする各種スポーツイベントの中止
今年も卒業式がどうなるのかとても心配です。
成人式においても新成人の皆さんにとっては一生に一度の成人の日がこのような状況になり、一社会人として居た堪れない気持ちです。
そんな中で、式典に行かず、友達との飲み会もなかった自分の成人の日をふと思い出しました。
「楽しい成人式」は難しいかもしれませんが、「有意義な成人の日」は作れるかもしれません。
どうか新成人の皆様にとっての人生の晴れの日が、素晴らしい一日になりますように・・・
２０２１年度新成人の皆様、成人おめでとうございます。
