「とくダネ!」小倉智明キャスターが膀胱癌のため長期休養に入られました。
炎上騒ぎや謝罪等、何かと取りざたされた小倉キャスターですが、もう少し大きな目で見ると菊川怜さんを文化人に育て、また山崎キャスターを水トアナに負けないフジの看板キャスターに育てたのも小倉さんだと思います。
そして何より、長期休養に入る際のあの小倉キャスターの言葉が非常に心を打ちました。
膀胱摘出手術を受けられるそうですが、排泄に要する場所なので非常にデリケートな話です。
しかし、
いつも人様のことを根掘り葉掘り、報道で言いますから、ウソつきたくない。
そうおっしゃって、自らの体に起こる変化、何が出来て何が出来なくなるのかを赤裸々に話をされました。
その後ニュース番組で小倉キャスターの長期休養は何度も取り上げられましたが、安藤優子さんが「もし自分が小倉さんと同じ状況になった際に、ここまでの事を言えるだろうかと考えると・・・」とおっしゃっていました。
ニュース番組ですから、時として他人の言動に対し批評したり、スキャンダルに切り込むわけです。
他人を真っ裸にするのに、自分の恥ずかしいことを隠す事は小倉さんにとってキャスターとして自らの矜持に反することだったのかと思います。
小倉キャスターは71歳です。
毎日きちんと視聴している訳ではありませんが、司会者としてのやりとり、出演者を活かす振り方、緩急をつけるその絶妙なタイミング・・・
年を重ねられる毎にそれは円熟さを増していました。
年齢による頭の衰えは一切感じさせず、むしろ今は丸みが加わり、本当にずっと長く活躍して欲しいキャスターです。
積み重ねてきたキャリア、年齢、誰もが小倉さんに一目置き気を使う環境になるのは当たり前の中で、そこにあぐらをかかず自らの矜持を大切にする本物のプロの「捨てる」ことに対する潔さ・・・
我々に「矜持を持って仕事をしているか?!」と投げかけられているように思いました。
「この仕事で生きる、生きたい」その覚悟を持った瞬間にその仕事に相応しくない習慣・行動をどれくらい捨てているだろうか
欲しいものや手に入れたいものにばかり目が行き、捨てることにどれだけの潔さを持てるのだろうか
社会人になった瞬間に自分の自由を捨てれるだろうか
就いた職業、役職に合わせて不自由さを背負っているだろうか
小倉キャスターの姿勢にそんなことを感じさせられました。
小倉さんが仕事に対しては非常に厳しい事はここで言うまでも無く有名な話ですが、何よりも多くの文化人、キャスターを育てあげた番組でもあり、それに関しては小倉キャスターの力は大きいと感じます。
ですので、小倉さんの長期休養中も番組をしっかりと守り続けてゆかれることと思いますが、とくダネに関わる皆様のご活躍をこれからも楽しみに視聴してまいります。
何より、小倉キャスターの一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。