THEATER & LIBRARY

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かもめのジョナサン (1970)
リチャード・バック

有名ですね。

かもめと言えばジョナサン。

だけど、内容を全く思い出せない。

というか、読んだことがあるのか?

そもそも、どうして知っているのか?

記憶が全くない。

こんなに有名なのに。

不思議な作品です。

 

なので、読んでみることにしました。

みんな食べることだけを考えて生きているかもめの群れと、飛ぶことばかりを考えているかもめのジョナサン・リビングストン。そんなジョナサンはかもめの評議会にかけられ、群れから追放されることに・・・

 

前半、主人公の好きなこと(つまり飛ぶこと)への真直ぐな姿勢と飛行描写が気持ちよいのだけれど、中盤からは時間・物質からの開放、博愛など想像しなかった精神的な話に。

 

本作品、はじめヒッピーの間で人気に火が付いたそうで、「イージーライダー」が良く引き合いに出されるようだけど、個人的には「カッコウの巣の上で」「真夜中のカウボーイ」「スケアクロウ」などとも近い匂いがするように思いました。

1970年前後のアメリカには、個々に自由を追い求める人々の匂いが、草原を抜ける風となって吹いていたのかな?などと思ってみたり。

 

全体が131ページと短いことや(かもめの写真が多数挿入されているので実際は更に短い)、苦痛や苦労などが描写されていないこともあり、全編を通して軽やかで清潔な印象。

人間臭さの無い点が物足りなくもあるけれど、気持ちよく読める作品でした。

☆☆☆☆★(星4つ)

 

そう、重要なのは食べることではなく、飛ぶことだ。風になることだ。急降下、宙返り、きりもみ、そして全速力――飛ぶことだけのよろこびを味わうために、光りかがやく空の果てまで飛んでいく一羽のかもめ、ジョナサン・リヴィングストン。群れから追放された異端のかもめは、強い意志と静かな勇気をもって、今日もスピードの限界に挑戦する。夢と幻想のあふれる現代の寓話。(新潮社より)

「緊縛」 (2002)
小川内 初枝


二人の男と続いている情事、

まっすぐ向き合うことのない家族、

ペットボトルとタバコで過ごす引きこもりがちの生活、

主人公の曖昧な状態を支配する「寂しさ」は、主体性の欠如によって彼女を「緊縛」しつづけている。

そんな寂しさを妙に身近に感じられるのは、誰もが内包している危うさだからなのかもしれない。

ラスト、主人公が見せる「緊縛」へのわずかな反抗がビビッドな色彩として印象に強く残った。
☆☆☆☆★(星
4つ)

 

「わたしを縛って…」心も体も強く縛られることを欲しながらも、二人の男とのアイマイな情事を淡々とくり返す美緒、三十二歳。その日常の果てに彼女の心が向かう先は…。第十八回太宰治賞受賞作。短篇の秀作「見ていてあげる」を併せて収録。(筑摩書房より)

「ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争」(2011)
手嶋 龍一

2001年911日に米国で発生した同時多発テロと、2011311日に日本で発生した東北地方太平洋沖地震。想定外の事態への日米二国の対応を通じて、情報の把握、分析、精緻といったインテリジェンスの政治における重要性を説く。著者が元NHKワシントン支局長ということで、米国に関する記述が多い前半や外交の押し引きを紹介する部分では内容が濃く、物語の展開も臨場感に溢れていて、さながらスパイ小説のように面白かった。日本に関する記述が多い後半ではイキイキとした臨場感が少し弱まり、失速したようにも。

248頁では物足りなかったけれど、大変興味深く読めました。

フィクションですが、インテリジェンスつながりで「ジェノサイド/高野 和明」「007 白紙委任状/ジェフリー・ディーヴァー」もおすすめ。

☆☆☆☆★(星4つ)

 

ビンラディンの頭上を急襲した米特殊部隊。十年に及ぶ諜報活動に凱歌が上がったまさにその時、福島の地は黒鳥(ブラック・スワン)の羽に覆われていた。原子炉にヘリで注水する「特攻作戦」の果敢も、日本が現代インテリジェンス戦に敗北した象徴だった。日米同盟の亀裂と外交的孤立に警鐘を鳴らし続けた著者の、死力を尽したノンフィクション。(新潮社より)