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◆はじめに◆
大学の教授に推薦されたので購入。
そして今、再読。
IBMさんと働くことがあるので、
知識を蓄えようと思ったというのもあるが、
機能不全に陥った組織を再生させるヒントが
得られるのでは、という期待もあった。
500ページと分厚いが、
読みごたえ十分。
◆アメリカの至宝の危機◆
IBMは20世紀前半、パンチカードシステムなどで
企業や大学、政府機関の計算処理を機械化した。
1930年代には米連邦政府の社会保障制度を自動化した。
メインフレーム(大型コンピュータ)の大成功により、
1960年には市場シェア30%超を記録した。
しかし、パソコン業界で主導権を握ることができなかった。
著者によると、この問題の原因は
(1)パソコンはマニアのものだけだと考えていた
(2)パソコンのOSをマイクロソフトに、
マイクロプロセッサーをインテルゆだねてしまったこと
だと述べている。
経営状態も悪く、著者がIBM入りした年には、
IBMは純利益マイナス8.1億ドル、
株主資本利益率はマイナス35.2%、
株価12ドル(現在の10分の1くらい)であった。
そのような状況から、いかにIBMを立ち直らせたのか。
本書には「全社員向けメール付き」で詳しく書かれている。
◆オフィスに掲げられた言葉◆
著者は、オフィスに以下の言葉を掲げていた。
世の中には4種類の人がいる。
---------------------------------
1.動きを起こす人
2.動きに巻き込まれた人
3.動きを見守る人
4.動きが起こったことすら知らない人
---------------------------------
このうち、3の人たちについて言及している。
この人たちは殆どの場合、何かをつくるわけではない。
他人の仕事を見守り、論評する。
その人たちの社会的価値は、その批評対象に
どこまでの価値を付加できるかによって決まる。
この、見守っている人たちとのやりとりからは逃れられない。
こうした人たちが何らかの理由で経営者を嫌うようになると、
仕事が難しいものになるからだ。
◆ブロガーのあとがき◆
私のお気に入りの言葉に
「仲間に『野鴨』がいるのはタノシイことです」
というものがある。
1966年のIBMの新聞広告だ。
一風変わった人というのは、必ずいる。
こういう人々を、IBMは「野鴨」と呼ぶらしい。
例えば、
・気難し屋
・底抜けの楽天家
・理論家肌
・感覚肌
など。
そして、ビジネスには野鴨が必要なのだという。
IBMでは、企業という組織を
強い独立性をもった個人の集合体にほかならない
と考えるからだ。
それぞれの個性を結集し、ビジネスを成功させる。
40年以上経った今でも、この考えは新しい。
IBMからは、まだまだ学ぶことが多そうだ。
◆参考文献◆
※「野鴨」広告が、以下の本の11ページに
写真入りで載っている。
安田 輝男

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