徳川家康の心得としていた事なのだ。家康は黄金を沢山有って居った。軍用金を沢山有って居ったから天下をとることが出来たのだが、その黄金を貯へるのに、例へば奢りをし度いとか娯みをし度いと思った時に、富士を見たのだ。今の人なら花見だとか芸者買ひに行くとかするのだが、そんな時に富士の風景を見て、それを第一の娯しみにして居ったのぢゃ。二つ目の楽しみは鷹を飼ふこと、他人に御馳走をする時でも自分は金を出さずに鷹に鳥を捕らしてそれで料理して御馳走した、それから茄子を作って浅漬けを非常に楽しみにして居ったのぢゃ。その位の心得で金をためてそれで天下を取った、家康は実際はその様な心得のあった人だった。それで一富士、二鷹、三茄子の夢を見たら、その心得になって居れば教訓になるから良いと云ふのぢゃ。併しその心得にならなんだら何にもならない。
『出口王仁三郎全集』第2巻,高木鉄男,昭和9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1138063
