胎児は月充ちて胞衣といふ一つの死骸を遣して生るる如く、人間も亦肉体といふ死骸を遺して、霊界へ復活、即ち生るるのである。故に神の方から見れば生通しであって、死といふ事は皆無である。只々形骸を自己の霊魂が形骸を分離した時の状態を死と称するのみで、要するに天人と生れし時の胞衣と見れば可いのである。胎児の生るる時の苦しみある如く、自己の本体が肉体から分離する時にも矢張相当の苦しみはあるものである。併しその間は極めて短いものである。以上は天国へ復活する人の死の状態である。根底の国へ落ちて行く人間の霊魂は非常な苦しみを受けるもので、恰度人間の難産のやうなもので、産児の苦痛以上である。中には死産と謂って死んで産れる胎児のやうに、最早浮かぶ瀬が無い無限苦の地獄へ落されて了ふのである。

『出口王仁三郎全集』第2巻,高木鉄男,昭和9.国立国会図書館デジタルコレクションhttps://dl.ndl.go.jp/pid/1138063』
『出口瑞月著『霊の礎』,天声社,大正13.国立国会図書館デジタルコレクションhttps://dl.ndl.go.jp/pid/919290』