歩いてオペ室に向かうのは初めてだ。
銀色の扉絵の向こうから楽しげな会話が聴こえてくる。私は静脈の安定剤がなかなか効かない体質なのでオペ中は寝れずに意識がハッキリあるタイプなので更に恐怖が襲ってくる。
扉が開き、台の上で横向きにされる。
先生: では腰椎麻酔からしますねー
えっ、安定剤からって言ってたじゃん!
なんか冷たいの塗られてる、消毒かなぁ
背中に注射されてる、、肛門の激痛注射に比べたら我慢できる、、だけど何本刺すんだろ、、
一瞬右足に電気が走って痛かったがどんどん針が刺さってくると同時に脚の感覚が痺れて麻痺してくるのが分かった。
仰向けにゴロンとされ、静脈麻酔の安定剤を入れられてもやはり意識はハッキリとした状態だった。。焦げ臭い、もう切られてるんだ、、髪の毛が焦げるような臭い。ああ、怖い、、
私: 全然安定剤効かずに緊張が止まりませんー。
先生: 追加しましょうねー
薬追加
助手: 効いてきたね、もう大丈夫でしょ
私: 効いてないですー。会話できちゃってます
先生: もう終わったよー。ほらー、これが痔瘻の管だよー。ついでにいぼ痔もオペしておいたよー、
ちょっと、緊張してる私にホルマリン漬けになったマカロニみたいな管を見せるなんてサイコパスかよー。
とはいえ、緊張してる割に興味深々で小瓶に入ったそれを手に取ってうっとり見つめていたのでした。今ごろ安定剤が効いてきたのだろうか。。
下半身が動かないのでそのまま移動式ベッドに移されて自室へ。
麻酔が徐々に切れ、痛みに変わり、夜になるともう腕や拳が肛門に入ってグリグリされてるんじゃないかってくらい激痛で、痛み止めの点滴と飲み薬がなかなか効いてこないのが本当に辛かった。
肛門が自動で締まる時にめっちゃ痛くてヒクヒクヒクヒクずっとしており、まるで今までの罪に対する罰を受けているようだった。人間は気づいてないだけで漏れないように常に肛門括約筋が締まるように出来ているらしい。肛門が裂かれ、肛門括約筋の一部と肉や管がごそっと切り取られているところがヒクヒク締まると拳グリグリの痛みの刑が24時間休まず襲ってくる。
強い痛みとは約2日間程闘い、晴れて地獄の拳の罰から解放されたのでした。
もう2度と経験したくはない、肛門周囲膿瘍のスズメバチが肛門目掛けて襲ってくるような麻酔注射の痛み、そして痔瘻のオペ後の肛門拳グリグリの処刑。。
神様、閻魔様、私の罪や過去性での罪も
これでもう赦してくださいね。