希望 | まなちゃんを救う会

希望

皆様、いつも私たち家族に温かい支援と励ましをくださり、本当にありがとうございます。

私たちがロマリンダへ来て、早くも十日が過ぎました。

こちらは日本と違い、乾いた空気と強い日差しで、日によっては夏のように暑くなります。

そんな突き抜けるような青い青い空の下、私たちは穏やかな生活を送っています。


愛は最近おしゃべりが好きで、一日中何かしゃべっています。

以前は何か気に入らないことがあると、ただ大きな声で泣くだけだったのが、

この一週間で、本人なりに何か口で主張しながら泣くようになったので、その成長ぶりが面白いです。

一方で、ここには私たち両親のほかには、誰も甘えられる人がいないことも気づき始めたようで、

ちょっとでも私たちの姿が見えないと、火がついた様に泣き、どちらかがずっと抱っこしなければならないなど、日本にいた時以上に甘えん坊になってしまいました。

私たち二人が同時に仕事ができないので、ちょっと困ってしまいます。


健康な子どもに比べて、できないことばかりの愛ではありますが、

それでも愛なりに、日々大きくなり、何かできるようになろうと頑張っている姿を見ると、

何としてでも愛を生かしてやりたい、愛のいる生活がいつまでも続いて欲しいという願いが

私たちの中では、日毎強くなっていきます。


そんな中、今日はこれからずっとお世話になるロマリンダ大学小児病院(LLUCH)のチノック先生から

移植前、移植後の注意事項や、実際に移植をするにあたってのカンファレンスがありました。

移植をすると、スポーツ選手になれるくらいまで元気になる子もいるけれど、

一方では、拒絶反応や、薬の副作用、感染症などと一生闘い続けていかなければならないことを説明されました。

日本にいる時から、移植をしてからが長い闘いになると言われていましたので、

話の内容に驚いたわけではありませんでしたが、

それでもこういう話をされる度に、私たち家族が向き合っているのは、とても恐ろしい病気なんだと再認識させられます。本当に闘い続けることができるのだろうか・・・と。

でも「私たちは70歳まで生きられるようにしようと考えて、移植手術をしています」というチノック先生の言葉に、大きく勇気付けられました。

「あなた方両親がしようとしていることは大きなチャレンジだけれど、必ず全てがよい方向にいくから」と。

愛もボランティアさんの腕に抱かれながら、静かに私たちの話を聞いているようでした。

その姿を見て、こうしている今も、愛はちゃんと病気と闘っているのだから大丈夫だと、私も思いました。


アパートまでの帰り道、大学の構内を通ると、ラナンキュラスが色とりどりに美しく咲いていました。

ラナンキュラスは私の好きな花です。

以前黄色いラナンキュラスの花言葉が「希望」だと聞いたことがあるからです。

その花をここ、ロマリンダで見ることができるのは、

この地が移植を通して、愛に生きる希望を与えてくれる場所だからだと思いました。

どこにいても、春はやっぱり希望に満ちた美しい季節です。


                                     玲子