ホームレス死亡、傷害致死罪で1人起訴 岐阜地検

岐阜新聞
2020/05/16
 
 
 

 岐阜市の路上で3月、ホームレスの渡邉哲哉さん=当時(81)=が襲撃されて死亡し、少年5人が逮捕された事件で、岐阜地検は15日、殺人容疑で逮捕された3人のうち、瑞穂市の無職の男(20)=犯行当時19歳=を傷害致死罪で起訴した。残る2人の少年を傷害致死の疑いで岐阜家裁に送致した。殺意は認められなかったとして、3人とも傷害致死を適用した。認否は明らかにしていない。また、傷害致死容疑で逮捕された少年2人を不起訴処分とした。

 

 

 男は勾留中に20歳になったため、成人として刑事手続きを受ける。起訴状などによると、他の少年2人と共謀し3月25日午前1時35分ごろ、岐阜市河渡の河渡橋付近の堤防で渡邉さんに石を投げ、同50分ごろまでの間、同市寺田の路上まで約980メートルにわたって追い掛けながら複数回石を投げた上、渡邉さんの顔に土の塊を投げて転倒させた。渡邉さんは後頭部を強く打ち付けたことによる脳挫傷などが原因で死亡したとしている。

 

 

 家裁送致されたのは、安八郡安八町の会社員の少年(19)と大垣市の無職の少年(19)。家裁は28日までの2週間の観護措置を決定した。観護措置は最長8週間まで延長できる。今後、少年法に基づく非公開の少年審判を開き、検察官送致(逆送)や保護処分などの処分を決定する。

 

 

 傷害致死など故意の犯行で被害者を死亡させた容疑の16歳以上は、原則的に逆送され、起訴されれば成人と同様に裁判員裁判で審理される。家裁が犯行の動機などを考慮し逆送しないこともできる。