2012年5月10日 朝日新聞夕刊 ライフ面
〈生き物がたり〉 福島からの報告(上)
==菅野利枝さん==
福島第一原発事故で取り残された犬や猫たちのシェルターを福島市内で運営しています。 飼い主が見つからない子、避難先で飼育できずに行き場をなくした子など、 犬30匹、猫33匹を預かっています。 幼い頃から実家には動物がいて、姉妹のように感じてきました。 原発事故で動物が苦しむのを、ひとごとにはできなかったのです。
震災14日目から仲間たちと原発20~30㌔圏内に入り、置き去りの犬や猫にご飯を配り始めました。県などがつくる動物救護本部には多額の募金が集まっており、じきに保護施設ができると信じて、いま自分にできることをしようと目の前の現実に向かいました。
去年4月までは避難区域に比較的容易に入ることができました。 南相馬市では何体もの馬の死体が横たわり、犬がそこら中をうろついていました。地獄絵。そんな言葉が浮かびました。
自分の家が突然奪われた不条理に、言葉のわからない動物たちはどれほど混乱し、困惑したことでしょう。
ある犬は自分の家までトコトコと私たちを案内して「これが自分の器です。ここにご飯をください」と言わんばかりに示しました。 別の犬は、吠えながら自宅の周りをぐるぐる回り続けていました。 私たちが必死で捕まえて犬小屋につなぐと、安心した様子でご飯を食べ、 眠り始めました。
幸いにも、その犬は2日後に飼い主と出会えました。穏やかに尻尾を振る様子に
心からほっとしました。こんな表情が活動の原動力になりました。
.................................
かんの・りえ
1971年福島市生まれ。動物愛護の一般社団法人SORA代表。
動物愛護法や外来生物法改正に向けた活動をしてきた。
家族は9歳の長男と犬5匹、猫12匹、アライグマ4匹。
※)社団法人SORA 福島被災動物レスキュー
http://blog.goo.ne.jp/sora-fukushima
〈生き物がたり〉 福島からの報告(上)
==菅野利枝さん==
福島第一原発事故で取り残された犬や猫たちのシェルターを福島市内で運営しています。 飼い主が見つからない子、避難先で飼育できずに行き場をなくした子など、 犬30匹、猫33匹を預かっています。 幼い頃から実家には動物がいて、姉妹のように感じてきました。 原発事故で動物が苦しむのを、ひとごとにはできなかったのです。
震災14日目から仲間たちと原発20~30㌔圏内に入り、置き去りの犬や猫にご飯を配り始めました。県などがつくる動物救護本部には多額の募金が集まっており、じきに保護施設ができると信じて、いま自分にできることをしようと目の前の現実に向かいました。
去年4月までは避難区域に比較的容易に入ることができました。 南相馬市では何体もの馬の死体が横たわり、犬がそこら中をうろついていました。地獄絵。そんな言葉が浮かびました。
自分の家が突然奪われた不条理に、言葉のわからない動物たちはどれほど混乱し、困惑したことでしょう。
ある犬は自分の家までトコトコと私たちを案内して「これが自分の器です。ここにご飯をください」と言わんばかりに示しました。 別の犬は、吠えながら自宅の周りをぐるぐる回り続けていました。 私たちが必死で捕まえて犬小屋につなぐと、安心した様子でご飯を食べ、 眠り始めました。
幸いにも、その犬は2日後に飼い主と出会えました。穏やかに尻尾を振る様子に
心からほっとしました。こんな表情が活動の原動力になりました。
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かんの・りえ
1971年福島市生まれ。動物愛護の一般社団法人SORA代表。
動物愛護法や外来生物法改正に向けた活動をしてきた。
家族は9歳の長男と犬5匹、猫12匹、アライグマ4匹。
※)社団法人SORA 福島被災動物レスキュー
http://blog.goo.ne.jp/sora-fukushima