現実世界で見つけた、ちょっと不思議なアイテムたち。
是非YouTubeのアニメ版でもご覧ください。
現在、ダンジョン49階層に、一人で挑戦中。
……と言っても、異世界のダンジョンに潜っているわけじゃない。
49歳を、死に物狂いで生きている。
ただ、それだけの話だ。
特別なスキルがあるわけでもない。
何かの資格、免許があるわけでもない。
最近、異世界もののアニメにハマっているせいか、つい自分の人生まで「ダンジョン攻略」みたいに考えてしまう。
……まあ、笑ってやってほしい。
遥か彼方にいる「独身貴族」という存在には、今でも少し憧れている。
でも現実はというと……
ほぼ詰み。
これまで、たくさんの人に助けてもらった。
仕事でも、生活でも、人間関係でも。
いろいろな仲間に支えてもらいながら、なんとかここまで辿り着いた。
それでも、ふと思う。
毎回、気がつけばボス戦のときは一人だな……。
結局のところ、
肝心なとき。
人生を左右する決断をするとき。
最後に一歩を踏み出すとき。
その瞬間だけは、誰かに代わってもらうことができない。
最終的に自分の人生を決めるのは、自分自身。
そして、その選択の責任を負うのも、自分自身だ。
そう考えると、49階層というのも、あながち大げさな表現ではないのかもしれない。
去年は、心も身体もボロボロだった。
いろいろなことが起きた。
解決できないことも、山ほどあった。
結局、何も片付けられないまま年を越した。
「全部リセットして、最初からやり直せたらいいのに」
そんなことを考えたこともある。
タイムリープ。
人生のセーブポイントまで戻って、別の選択肢を選び直す。
……バカバカしい。
そんなこと、できるわけがない。
目の前にあるのは、ゲームでもアニメでもない。
現実だ。
今日も、次から次へと選択肢が現れる。
どちらを選んでも、それが正解なのかは分からない。
体感では……
約76%の確率で不正解。
いや、もしかしたらもっと高いかもしれない。
それでも、選ぶしかない。
今日も仕事を終えた。
フラフラになりながら、なんとか帰宅する。
もう何かをする気力も残っていない。
体が重い。
寒気がする。
そして、なんだか息苦しい。
「……疲れた」
それだけ呟いて、寝床に入った。
無気力感が、身体全体を覆っていく。
目を閉じる。
暗い。
何も考えたくない。
何もしたくない。
ただ、このまま眠ってしまいたい。
闇が、少しずつ広がっていく。
……そして。
ふと、思った。
もし、目が覚めたら異世界だったら?
「……アニメの見過ぎだな」
けれど――
おかしい。
息が……できない。
酸素が足りない。
呼吸の仕方すら、忘れてしまったような感覚。
苦しい。
身体が動かない。
意識が、遠のいていく。
暗闇の中で、最後に浮かんだのは――
「もう一度だけ、やり直せたら……」
だった。
そして、僕の意識は途切れた…
ファンタジーの世界では、冒険者は自分の能力を数値で確認できる。
異世界に転生した主人公なら、ここで「ステータスオープン!」となるところだ。
VIT(体力)
INT(知力)
LUK(運)
……など。
では、現実の49歳のJ(ジェイ)
の場合はどうなのか?
僕なりに考えてみた。
VIT:★★★☆☆
無理をすると翌日に響く。
INT:★★☆☆☆
経験値だけは、それなりに積んできた。
LUK:★★☆☆☆
……もう少し欲しい。
そして一番重要なのが――
EXP 経験値:★★★★☆☆☆☆☆☆
これは、49年間生きてきた分だけある。
ただし、アニメ、ゲームと違って人生の経験値は、レベルアップしてもステータス画面には表示されない。
だから、自分で気づくしかない。
「僕は、これまで何を経験してきたんだろう?」
それを確認するのも、今回の冒険の目的のひとつなのかもしれない。
さあ、ボチボチ出発しようか…