こんばんわっしょい!
書画骨董、古銭をされている方は
『目利き』と『めくら』、ともに聞いたことのある言葉だと思います。
『目利き』とは本物と偽物の違いがわかるひとですね。
『めくら』とは本物と偽物の違いがわかっていないひとです。
ポリコレ全盛の昨今、『めくら』という言葉は言葉狩りの対象なので
ブログやXなど多くの方の目に留まる場所では使わないほうがいいです。
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日本や中国のコイン&穴銭、西洋のコイン、東南アジアのコイン&銀錠、
本物もあれば偽物もあります。
日本の円銀貿易銀、中国の近代コインなどは偽物が多いことで知られています。
欧州コインも昔から偽物はあります。
レバノンのベイルートで作られたといわれる
50年ほど前にコイン市場に現れたニコライ2世25ルーブル金貨の贋金貨などは
贋作コイン界の名品といわれています。
古代コインのなかにはルネサンス期にさかのぼる偽コインもあります。
当時の貴族、商人、文人は古代コインを集めていたんですが
当時希少だった古代ローマコインなどのイミテーションをつくって
コレクションの穴埋めをしてたんですね。
それが時代を経ると本来イミテーションとして作られたものが
本物と勘違いされてコイン市場に現れることもあります。
現代の贋作コインについても
偽物と一目見れば判る程度のものから
目利きであるはずのプロの目をかいくぐって
有名オークションに登場した偽物も数多くあるでしょう。
古代コインの贋物がドイツの某有名オークションを通じて
コイン界隈に大量に流入していると
イタリアのコインフォーラムにて名指しで批難されたりもしています。
また中国で作られた偽コイン、穴銭は日本でも溢れています。
円銀などはプロの目さえあざむくレベルのものもあるとか
スラブ入り円銀のなかにも贋が混じっているという話も聞こえてきます。
古今東西
贋作偽物の話題は事欠きません。
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このように贋作コインが溢れるなかでコレクターが身を守る方法は
目利きになるか目利きを利用するかのどちらかです。
とはいえ目利きになるのは難しい。。。
ということで目利きを利用する安易な道へと。。。
目利きを利用するとはグレーディングされたコインを買うということです。
スラブに入っているコインは一応、プロの目で真贋判定されたことになっています。
保証もあります。
ただ。。。ホントに大丈夫?という疑問符がついていますが、
現状、初心者さんや『めくら』の方にはこれ以外に道はありません。
そのほかには『君子危うきに近寄らず』といいます。
はじめから贋の多い分野を避ける方法です。
中国の近代コイン、希少な穴銭、日本の円銀、貿易銀など
日本人好みであっても贋の多い分野は諦めるということです。
買うとしてもスラブしか買わないようにすることで
ある程度は贋から身を守れるでしょうが、
スラブに入ってしまっている贋からは身を守れません。
このあたりは初心者さんや『めくら』の方ではなく
我こそは目利きと自認しておられる方、
自他ともに目利きと認められる方向きの対象でしょう。
『君子危うきに近寄らず』です。
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『めくら』の子供時代は多くの贋銀貨を掴みました。
大人になって本格的に集め出してからも贋を掴んだことがあります。
大人になっても収集家としてたいして成長していませんねw
1度目は金朝銭、泰和通宝当三でダメなものを掴んでしまいました。
東海地方にあるお店の入札誌で落としたものです。
今はどうかわかりませんが、昔は写真ではなく拓を掲載していました。
拓を見て美銭だと思い5万で落としたのですが
届いてみるとわたしでもわかるレベルの贋でした。
緑青がついているのですがこれが真っ赤な偽物、
ボンドに緑色の粉を混ぜたものを塗っているような代物で唖然としました。
2度目の贋作はナポレオンの銅打ち試作5フラン貨でした。
東京のコイン商さんの即売誌で買ったものです。
届いてみると肌が不自然なんですね。
どう見てもプレスで打ったようにはみえない。
当時は裸コイン派でしたがグレーディングのことは知っていました。
そこでNGCにグレーディングに出すことにしました。
結果は贋でした。
ハッキリと贋とわかったものはこの2枚だけです。
今はスラブ派でコレクションはほぼスラブに入っているので
贋作はないと信じたいです。
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高額なもの、人気の分野には贋が現われます。
こればっかりはどうしようもないです。
贋作コインも参考銭として作って売れば問題ないんですから
いくらでも作られて世の中に紛れ込んできます。
あるときは贋作、あるときは参考銭になるのです。
簡単に見分けられるものは良いですが
円銀のスーパーコピーのようなものが登場してきたら
スラブ入りコインすら信用できなくなります。
もはや目利きの方でも難しい時代になってきているのかもです。
それでは次回会うその日までさよなら
了