前にも書いたけど舞台となっているのは1986〜1990年、僕がいたのは1986〜89年。場所はドンピシャの東ベルリン。劇中にテレビ塔が出てくるけどあのテレビ塔の1ブロック北側のアパートに僕は住んでいました。


いやー、色々懐かしい。例えば最初の方にある民間スパイの話。当時日本から東ベルリンに留学するのはかなり珍しかったので注目度満点。仲良くなろうとしてくる東ドイツの人たちがたくさんいましたが、中でも日本に帰ってくる直前までいろいろサポートしてくれた人がいた。「さとし気をつけろ!ここではシーッ!と言ってうしろを指差すんだよ」と教えてくれたのもその人。でも多分だけどその人自身が政府と繋がっていた気がする。彼にしか教えていない個人情報が学校や大使館に筒抜けしてましたから。


これを怖いという人がいるけど、まあ今の日本もあまり変わらないんじゃないかな?


当時の僕にはそんな緊張感は全然なくてわりと自由に過ごしてました。ただそれが筒抜けなことを知らなかっただけ、ということです。音楽を勉強しに行ってたし政治的な運動とかなければ別に目をつけられることはないんです。ただ僕がどんな女の子を誘ってどこに行ったとか、あとで学校長に呼び出されて指摘されたのはびっくりだったなぁ。まさにヨナスがナディアとドライブに行ったのを指摘される場面と同じ。。


指揮してるといろいろと思い出されます。でもひとつだけ言うと、監視塔に登るのは絶対無理だと思うけど。近づいただけで撃たれます。広い緩衝地帯があって普通に車で近づくことすら無理。あと「トラバント」という言葉が出てきますが、あれは東ドイツの名車(迷車?)のこと。


可愛いでしょ?

車体はダンボールみたいな素材でできていてめちゃくちゃ軽いので(実際はFRP繊維のプラスチックみたいなもの)、二気筒23馬力でも十分なんですよ。叩くとポコポコ音がします。子供が産まれるとまずその子のために電話の権利とトラバントを予約すると言ってました。計画生産なんですね。


というわけで僕にとって本当に思い出深い作品です。