劇場に入ってからは比較的順調。今回はオケもバリバリ見えます。オケファンの皆様!ご期待ください(え?いるんですかね??〕
さていよいよ初日です。今回大変なのは岩本くん。もう芝居も歌もかなりの分量です。海外、特にヨーロッパではあるキャラクターの演者を決めるためにまず候補者を音域で絞っていきます。ミュージカルは歌メインですから当然といえば当然。ですから例えば低い声の持ち主がハイキーの曲が多いキャラを演じることはまずないし、あったとすれば原曲のキーを下げられるかどうかを慎重に検討するわけです。
ところが日本てわはミュージカルは音楽より演劇に近い設定になっているため(昔からですが〕どうしてもキャラクター優先で配役してしまう傾向にあるわけ。こうなると稽古に入って本人の音域とキーが合わないということが度々起きます。もちろん原曲を下げたり上げたりすればそれなりに解決することもありますが、当然みんなで歌うような曲はコーラスや相手役もあるわけでそうもいきません。それに下げ過ぎたり上げ過ぎたりすればオケも演奏不可能に。ということで本人の発声自体を見直す方向に向かうこともあります。
今回の岩本くんのフランクという役はまさにこれ。フランクの楽曲はかなりのハイキー。対して岩本くんはバリトン。曲を下げれば周りに影響が出過ぎるため全部はできず、こうなると岩本くんの持っている声の音域を拡大しなければならないわけです。しかもたった1ヶ月で!僕自身が前にボイストレーニング(尊敬する桜田ヒロキ先生のところ〕に行ったのは、実はこれを予想していたから。僕自身がバリトンなんですが、フランクを歌うとすれば何が必要か勉強してみました。そしてそれを歌唱指導の先生と一緒に試行錯誤しながら岩本くんに伝授。
どうなったと思います?実は当初と今を比べると五音くらい高いところまで出るようになったんです。もちろん無理をして出している状態では何回も歌うミュージカルでは無理(カラオケ一発ならできるけど〕。ということでなるべく楽に安定するようなところを目指しながら声の改造をしました。驚くのは彼の喉ポテンシャル(そんな言葉があるか知らんけど)。今日初日ですが、まだまだ伸びる可能性を秘めてます。
まあ忙しいスケジュールを縫って本当に頑張ったと思います。でも初日はゴールじゃない!最後まで頂上を目指しましょう!
…って、岩本くんがこれを見てるわけないだろうけど。。。