あの激闘から早一ヶ月になろうとしています。
「穂積ウォッチャー」として、これまでの彼の戦いを整理するためにも戦評なども書こうかと思っていましたが、あまりにも心に残る戦いであったので、書くことさえ出来ませんでした。
勝利の余韻は激しく、毎晩試合を見なくては眠れなくなってしまいました。
そこで思ったのは「なぜ長谷川選手の試合はこんなにおもしろいのか?」
彼のファンであるから面白く感じるのは当たり前のことですが、それを差し引いても彼のボクシングは面白く魅力的だ。
一般的にはスピードと技術、高速連打を持ち合わせたボクサーと評されるが、彼の一番の魅力は「変則性」にあると思う。
繰り出すパンチにスピードがあり、また打った後バランスを崩さないのでそうは見えにくいが、かなり大振りでラフだ。
ディフェンスは、ガードを固めてやり過ごすのではなく、ダッキングとパーリングと素早いバックステップと、殆どの場合は「勘」で相手のパンチをかわし、そしてその後すぐパンチを繰り出し防戦一方には決してならない。
戦いそのものに一定のリズムがよくも悪くも感じられないし、試合毎の戦術もあってないようなものだ。
プロとして観客の目を意識し、勝つ事は当然として、見せ場を作ろうと無理にでもする。
といったところでしょうか。
かつて彼が言ったことがあります。
「僕はいい指導者にはなれないでしょう。センスというものはもって生まれたもの。それを教えたり伝えたりすることは出来ないから。」
もって生まれた強靭なる肉体を鍛え上げ、王者に君臨してきた者は何人もいるけど、彼ほどボクシングセンスというかボクシング感性を持ち合わせたボクサーを見たことがありません。またそのセンスがボクシングノートに書かれるようなものでなく、彼特有のセンスだから、動きを見ているだけで決して飽きることがない。つまり、この独自の感性からなるボクシングでよくここまで戦い結果を残してきたものだとさえ思う。
だからといって「最強か?」
と問われれば、残念ながらイエス!といえない。
今までもそうだったが強靭なるファイターに、3度も粉砕されている。
長谷川選手は最強を証明したいのか?
ずーと前からそうではなかったと思う。
彼のセンスで築き上げた「変則」ボクシングは、2つの拳だけで戦うボクシングという競技に対しての挑戦。
ひとまず達成感はあるかと思いますが、ウーゴ・ルイス相手では楽しめなかった、試されなかったと思う。
彼はこれからもきっと、もっと強い相手を求めていくとおもうし、そう願っている。
まだまだ彼のボクシングを見ていたい。
久しぶりの更新が個人的なものになり申し訳ありませんでした。
最後まで読んでくれた方どうもありがとうございました。
次回はお店の情報などを近じかに更新します!
彼はいつだって最強を目指していたわけではないと思う。