今回から数回に分けて、小田急線のダイヤを考察していこうと思います。

他の路線のリクエストもお待ちしています!

では、早速始めていきましょう。

 

小田急線とは

小田急線は、新宿から小田原までの小田原線、相模大野から片瀬江ノ島までの江ノ島線、新百合ヶ丘から唐木田までの多摩線の3路線を主としている路線です。この記事では小田原線のダイヤについて考察していきます。(他路線は小田原線が終わってから書きます)

この路線は、郊外から新宿などの都心部に向けての流動がとても多く、一路線あたりのラッシュピーク時輸送量は主要31区間で一位となっています。そのため、昔から混雑が激しいことでも有名で、複々線が完成した 現在でも首都圏主要31区間で混雑率は12位、地下鉄を除いた大手私鉄でも2位となっています(1位は京王線)。ただ、複々線が開通したことにより、ラッシュピーク時の運行本数は格段に増え、所要時間もかなり短縮されています。

 

データ

路線長:82.5km

駅数:47駅

複々線区間:代々木上原〜登戸

三線区間:登戸〜向ヶ丘遊園

種別:特急快速急行通勤急行急行通勤準急準急各駅停車

退避可能駅:向ヶ丘遊園、新百合ヶ丘、鶴川(上りのみ)、町田、相模大野、相武台前、海老名、本厚木、伊勢原、秦野、新松田、足柄(上りのみ)

両数:4、6、7(特急のみ)、8、10

 

①早朝

小田急線の始発は、5時より少し前の列車が多くなっていて、一般的な私鉄とほぼ同じになっています。一番早いのは、4時54分発の経堂発各駅停車新宿行きと、小田原発各駅停車新松田行きです。始発のあとには海老名以東では約30分後、海老名以西では1本あとに急行快速急行の運行が始まり、新松田から愛甲石田の各駅では快速急行が始発列車となっています。5時台という早い時間ではあるものの、ほぼ全区間で急行以上の種別が毎時3本以上、多いところでは毎時6本運行されているので、早朝から需要が高いことが伺えます。

6時台に入ると、都心区間ではまだ本数が少なめなものの、郊外の区間では朝ラッシュがすでに始まっていて、駅によっては6時台の本数が一日を通して一番多くなっているところもあります。

 

②朝ラッシュ時

 

ここでは下北沢到着7時30分〜8時40分ごろを中心に見ていきます。

この時間帯の基本的なダイヤは10分サイクルになっていて、その中に

快速急行(小田原線)

快速急行(江ノ島線)

通勤急行(多摩線)

通勤準急(小田原線)

各駅停車(小田原線)

各駅停車(小田原線、地下鉄直通)

 

急行系の種別がそれぞれの路線から来ているのが特徴です。また、急行系の列車はその路線の終点や終点に近い駅(小田急多摩センターや藤沢)から来ているため、長距離利用者向けであることが分かります。そのため、複々線区間の停車駅はかなり少なくなっていて、快速急行は登戸、下北沢、代々木上原に、通勤急行は成城学園前、下北沢、代々木上原のみに停車しています。ただ、以下のように急行系以外の種別と急行系の種別が接続をとっていることも特徴です。

 

経堂:通勤準急各駅停車(地下鉄直通)

成城学園前:通勤急行各駅停車(地下鉄直通)通勤準急各駅停車

登戸:快速急行(江ノ島線)通勤準急

相模大野:快速急行(江ノ島線)通勤準急

 

そのため駅ごとの新宿駅最速達列車は以下のようになっています。

南新宿〜経堂:先発列車

千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵:各駅停車(地下鉄直通)通勤準急→(代々木上原で先発列車に乗車)、各駅停車(小田原線)

成城学園前:通勤急行通勤準急→(代々木上原で先発列車に乗車)

喜多見〜和泉多摩川:各駅停車(地下鉄直通)通勤急行各駅停車(小田原線)通勤準急→(代々木上原で先発列車に乗車)

登戸:快速急行

向ヶ丘遊園:通勤急行通勤準急快速急行

生田〜百合ヶ丘、柿生〜玉川学園前:通勤準急快速急行各駅停車(小田原線)快速急行

新百合ヶ丘:快速急行、通勤急行

町田、相模大野:快速急行

小田急相模原〜座間、厚木:通勤準急快速急行各駅停車(小田原線)快速急行

海老名、本厚木〜開成:快速急行

栢山〜足柄:各駅停車快速急行

小田原:急行(新松田から快速急行)

 

各駅停車通勤準急から快速急行通勤急行に乗り換えができるようなダイヤになっているため、急行系の列車が通過する駅でも、便利に都心方面に通勤や通学ができていることが分かります。ただ、複線区間でも特に本数が多くなっている向ヶ丘遊園〜新百合ヶ丘間では、急行系列車が先行する各駅停車に追いつかないようにするために、最高速度を45km/hに制限する抑速運転を行っているので、新百合ヶ丘では接続を取っていないなど、区間によっては各駅停車快速急行の所要時間が変わらない区間もあります。そのため、日中と比較すると、小田原〜新宿間で快速急行の所要時間が約10分増加していますが、複々線化前と比較すると約20分の短縮になっているので、かなり所要時間が早くなっていることが分かります。混雑も、一部列車ではまだ積み残しが発生しているものの、全体的にみると混雑は減少していて、特に各駅停車通勤準急(複々線化前の準急)では複々線区間でも車内にかなり余裕があります。しかし、急行系列車の混雑の改善はまだ必要だと感じる場面もあります。

 

以下には一般的な各駅停車と通勤準急の待避駅、接続駅を書いておきます。(列車によっては、多少差があります)

 

各駅停車(千代田線直通):登戸〜喜多見間で快速急行、成城学園前で通勤急行、成城学園前〜経堂間で快速急行、経堂で通勤準急、経堂〜下北沢間で快速急行

各駅停車(小田原線):相武台前で快速急行(通過待ち)、鶴川で快速急行(通過待ち)、登戸で快速急行、登戸〜成城学園前間で通勤急行、成城学園前で快速急行(通過待ち)、通勤準急、成城学園前〜下北沢間で快速急行、通勤急行、快速急行

通勤準急:鶴川で快速急行(通過待ち)、相模大野で快速急行、登戸で快速急行

 

ここまでで①は終わりです。日中時間帯以降は②で紹介します。