不二才連句会 二十韻「数へ日の」の巻             菜・れんが屋

 

数へ日のひと日に句座の夕べかな               逆瀬川 屯

 ポインセチアにあたたかき窓                田中 和紅

星撒ひて夜行列車は南へと                  陶山 六寸

 東雲に掌を合わす幼子                   笹田 文遠

ランニング有明月の消えぬ間に                浜本 麗歌

 秋の味覚を舌に転がし                   堀之内風筍

故郷の草の実包む文として                     和紅

 歌舞伎町にて増える売掛け                     屯

洟垂れがスタンフォードに留学し                  文遠

 ごろりと空を仰ぐ万緑                      六寸

ナオ

愛犬のタフマン舐める夏の月                    風筍

 瓜盗人を見逃してをり                      麗歌

酔眼のままに駆けゐる屋根瓦                     屯

 ドローンの影空にうなりて                    和紅

ホームにておどけ男の泣きながら                  六寸

 イヴはお寺でケーキほおばる                   文遠

ナウ

前髪を春一番がゆらす日に                     麗歌

 主忘れて眠る猫の子                       風筍

来し方の夢を語らふ花の酒                      屯

 風に微笑む丘の蒲公英                      和紅

                               満尾