本因坊文裕(井山裕太)への挑戦権を争う本因坊リーグで、同星が3人並び、かつ羽根直樹九段、河野臨九段の2人の序列が同じなため、13年ぶりの三者プレーオフが行われました。

プレーオフ第1戦は河野臨九段の黒番中押し勝ち。
プレーオフ第2戦(挑戦者決定戦)で、芝野虎丸七段との対局。
河野臨九段は第1戦の勝利で今年13勝1敗という絶好調。
リーグ戦など対局相手もトップクラスばかりでこの勝率は、絶好調時の井山裕太「七冠」並です。
対して芝野虎丸七段は、昨年18歳で世界チャンピオンを3人も倒したことで、中国、韓国のメディアからも特集を組まれるくらいの注目株。
もし、このプレーオフに勝利したら、史上初の十代(19歳)での本因坊挑戦と、八段昇段の最短記録がかかっていたので、一般のメディアからも注目されていました。
(個人的にも、本因坊秀策の名前が「虎次郎」、跡目となったのが19歳ということで、応援していました)

その挑戦者決定戦をAIで検討しました。
芝野虎丸七段の黒番です。

両者手堅く打ち進めますうが、白の河野九段が少しずつリードを保ちます。

 

 


棋譜再生

 

しかし、99手目に河野九段が2子をアテた(白丸)のに対して、

100手目で虎丸七段がツガずに緑の丸の地点に打ったのが好判断。

絶芸、LeelaZeroともに左上の黒全体が弱いので、大きく攻めることを推奨していました。

 

 

ここから虎丸七段が少し優勢に。

河野九段も形勢少し悪いと思ったのか、116手目で右下の白丸に打ったのがAIからは薄かった判断。

流れは一気に虎丸七段へ。

 

 

 

しかし127手目、両AIは右下を押さえて模様を確定値にすれば良かったと推奨してたけど、

虎丸七段は右上(黒丸)に打ち、それでも

 

絶芸は左図の赤丸(実戦は黒丸)に打てば、まだ黒が形勢リードしていたという判断だった。

 

ここからフリカワリもおき、プロやトップアマ達も細かいとの形勢判断。

しかしAIは小ヨセは評価値が一気にふれるので、評価価は広がる。

白が半目勝ちと言われても、河野九段は半コウも勝ちにいき、最終的に1目半勝ちとなりました。

 

これで5月からの本因坊戦は河野九段が挑戦者となりました。

井山祐太九段とのタイトル戦は5回行い、いずれも井山九段がタイトルを勝ち抜きましたが、現時点で今年14勝1敗という絶好調の河野九段なので、どちらが勝つのかまったく想像できない楽しみになりました!