「家庭経営」事始め・・・経営を知るための「簿記の基本」<第7話> | 品質安定化設計ラボラトリー日記

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かつて開発業務で活用した「品質不良を開発・設計段階で未然に解決する」タグチメソッド(品質工学)を多くのものづくりエンジニアの皆さんに知っていただきたいと思い、そのために自分自身も学び直しながらブログでご紹介してゆきます。

第2章 商品売買

 前回のテーマであった商品売買につき、

今回は関連する基礎問題に挑戦しました。

 

 

 まずは分記法に関する仕訳の問題です。

 

 回答に使うことが許される勘定科目は

現金、商品、商品売買益の3つです。

 

 取引(1)は、

商品10,000円分を仕入れ、

代金を現金で支払ったというものです。

 

 商品という「資産」が増えるため

左側(借方)に(商品)10,000と記入し、

現金という「資産」が減るため

右側(貸方)に(現金)10,000と記入します。

 

 取引(2)は、

10,000円で仕入れた商品を

15,000円で売り上げ、

代金を現金で受け取ったというものです。

 

 現金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(現金)売価=15,000と記入し、

商品という「資産」が減るため

右側(貸方)に(商品)原価=10,000と記入し、

商品売買益という「資産」が増えるため、

左側(借方)に

(商品売買益)売価-原価=5,000と

記入します。

 

 

 

 次は三分法に関する仕訳の問題です。

 

 回答に使うことが許される勘定科目は

現金、売掛金、買掛金、売上、仕入の

5つです。

 

 取引(1)は、

商品10,000円分を仕入れ、

代金を掛けとしたというものです。

 

 仕入という「費用」が増えるため

左側(借方)に(仕入)10,000と記入し、

買掛金という「負債」が増えるため

右側(貸方)に(買掛金)10,000と記入します。

 

 取引(2)は、

買掛金10,000円を現金で支払ったと

いうものです。

 

 買掛金という「負債」が減るため

左側(借方)に(買掛金)10,000と記入し、

現金という「資産」が減るため

右側(貸方)に(現金)10,000と記入します。

 

 取引(3)は、

商品20,000円分を売り上げ、

代金を掛けとしたというものです。

 

 売掛金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(売掛金)20,000と記入し、

売上という「収益」が増えるため

右側(貸方)に(売上)20,000と記入します。

 

 取引(4)は、

売掛金20,000円を現金で回収したと

いうものです。

 

 現金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(現金)20,000と記入し、

売掛金という「資産」が減るため

右側(貸方)に(売掛金)20,000と記入します。

 

 

 

 次は返品に関する仕訳の問題です。

 

 回答に使うことが許される勘定科目は

売掛金、買掛金、売上、仕入の

4つです。

 

 取引(1)は、

仕入れた商品のうち、

品違いの1,000円分を返品したという

ものです。

 

 この場合、

当初の仕入の仕訳を取り消すために、

勘定科目が仕入のときとは逆になった

逆仕訳をする必要があります。

 

 買掛金という「負債」が減るため

左側(借方)に(買掛金)1,000と記入し、

仕入という「費用」が減るため

右側(貸方)に(仕入)1,000と記入します。

 

 取引(2)は、

売上げた商品のうち、

品違いの2,000円分が返品されたという

ものです。

 

 この場合、

当初の売上の仕訳を取り消すために、

勘定科目が仕入のときとは逆になった

逆仕訳をする必要があります。

 

 売上という「収益」が減るため

左側(借方)に(売上)2,000と記入し、

売掛金という「資産」が減るため

右側(貸方)に(売掛金)2,000と記入します。

 

 ここまでは順調に正解してきましたが、

次で自分の理解の抜けに気付かされます。

 

 

 

 次はクレジット売掛金に関する

仕訳の問題です。

 

 回答に使うことが許される勘定科目は

当座預金、クレジット売掛金、売上、

支払手数料の4つです。

 

 取引(1)は、

商品2,000円分をクレジット払いとし、

信販会社への手数料80円を

販売時に計上したというものです。

 

 クレジット売掛金という「資産」が

増えるわけですが、

商品の売価が2,000円でも

支払手数料という「費用」を支払うため、

売掛金の額は2,000円ではなく

売価から支払手数料を差し引いた

2,000-80=1,920円となります。

 

 自分はここを間違え、

左側(借方)に

(売掛金)2,000

(支払手数料)80

と記入してしまい、

右側(貸方)には

左側(借方)との整合性を取るために

(売上)2,000

(当座預金)80

と記入してしまいました。

 

 正しくは

1,920円の売掛金という「資産」が増え、

80円の支払手数料という「費用」も

増えるため、

左側(借方)には

(売掛金)1,920

(支払手数料)80

と記入し、一方で

2,000円分の売上という「収益」が

増えるため、

右側(貸方)に(収益)2,000と記入します。

 

 なお、販売時において

当座預金には何の変動もなく、

決済時に1,920円が振り込まれるので、

販売時に支払手数料を計上した場合には

記入不要です。

 

 そういう意味で、

次の取引(2)も間違えました。

 

 この取引(2)は、

上記取引(1)の後日に決済が為され、

信販会社より売価から手数料80円を

差し引いた売掛金が当座預金口座に

振り込まれたというものです。

 

 正しくは

1,920円の当座預金という「資産」が

増えるため、左側(借方)には

(当座預金)1,920と記入し、

一方で1,920円の売掛金という「資産」が

減るため、

右側(貸方)に(売掛金)1,920と記入します。

 

 自分は前段の取引(1)で

売掛金の額を間違えましたから、

そのままこの取引(2)でも

左側(借方)と右側(貸方)の両方とも

金額を2,000としてしまいました。

 

 しかし、ここで考えてみたのですが、もしも

決済手数料80円を”決済時に”計上したら、

仕訳は下記のようになったのではないのかと

考えました。

 

取引(1)

 (売掛金) 2,000 (売上) 2,000

 

取引(2)

 (当座預金) 1,920 (売掛金) 2,000

 (支払手数料) 80

 

 

 

 最後は諸掛りに関する仕訳の問題です。

 

 回答に使うことが許される勘定科目は

現金、売掛金、買掛金、売上、仕入、

発送費の6つです。

 

 取引(1)は、

商品10,000円分を掛けで仕入れ、

引取運賃400円を現金で支払ったと

いうものです。

 

 このような場合、正しくは

引取運賃などの「仕入諸掛り」は

仕入という「費用」に含め、

その額10,000+400=10,400円だけ

「費用」が増えるため、

左側(借方)に(仕入)10,400とだけ記入し、

一方で買掛金という「負債」が10,000円増え、

現金という「資産」が400減るため、

右側(貸方)には

(買掛金)10,000

(現金)400

と記入します。

 

 しかし、自分は

仕入諸掛りが「仕入」に含まれることを忘れ、

しかも引取運賃を「発送費」と取り違えるという

初歩的ミスを犯し、間違えてしまいました。

 

 取引(2)は、

商品20,000円分を掛けで売上げ、

自社負担の発送運賃500円を

現金で支払ったというものです。

 

 売掛金という「資産」と

発送費という「費用」が増えるため

左側(借方)に

(売掛金)20,000

(発送費)500

と記入し、一方で

売上という「収益」が増え、

現金という「資産」が減るため

右側(貸方)に

(売上)20,000

(現金)500

と記入します。

 

 取引(3)は、

商品30,000円分を掛けで売上げ、

得意先負担の発送運賃600円を

現金で立て替えたというものです。

 

 このような場合、本来ならば

売掛金という「資産」と

立替金という「資産」が増えるわけですが、

問題文で使用が許されている勘定科目に

「立替金」はなく、

また立替金は同じく「資産」に属する

売掛金に含めて計上することもできるため

左側(借方)には両社の合計金額として

(売掛金)30,600

と記入すれば良く、一方で

売上という「収益」が増え、

現金という「資産」が減るため

右側(貸方)に

(売上)30,000

(現金)600

と記入します。

 

 今回の基礎問題に挑戦して感じたことは、

複数の金額を合算したり、差し引いたり

しなければならない問題に

自分は弱いということでした。

 

 まして、

引取運賃と発送費を混同するなどとは

論外です。

 

 自分の弱点を克服しつつ、

今後も学んで参ります。

 

 

 本日はここまでといたします。

 

 ご精読、ありがとうございました。

 

 

 次回は、

現金預金について学びます。

 

 お楽しみに。

 

<参考文献>