昨日、ばったりと元同僚に会った。

5年ぶりくらい。
 
彼女は私よりちょっと年上。
音楽をやってて華やかで。
 
「あらー!お元気そう!」ドキドキ

と相変わらずのステキな声。

 

彼女は不思議な経験をたくさんしていて、同僚だった頃、いろいろと体験談を聞いた。

 

かつてとてもお世話になった上司(亡くなっていた)を、一緒に働いていた職場で見かけたと。

「声をかけたけど、スッと消えたの…」

 

それがきっかけで、次々と不思議なことに出合うようになったんだとか。

 

私は「へー、そうなんだ~」と聞いていた。

不思議な体験ばかりだけど、だから自分には特別な力があるんだ、とか、そういう方へはいかない。

どこかピュア。

ウソを言ってる感じはない。

だから聞くことがいやじゃなかった。

 

「なんなのかしら…自分でもよく分からないのよ…」とよく言っていた。

「こういう話を嫌がらずに聞いてくれた人は初めて」とも。

 

私はむしろ不思議な話を聞きたがりの方だから。

 

 

子どもの頃、近所におがみ屋さんがいた。

よろず相談のような、占いのような

一番近いのはイタコかな。

 

そこへ、母によく連れていかれた。

薄暗い小さな部屋におばあさんがちょこんと座っていた。

背を丸めた小柄なおばあさん。

穏やかで優しくていつも笑顔。

母はその人の言葉をとても信用しているのが分かった。


私がずいぶん大きくなったある日。

母がポロっと話したことがあった。

 

「父さんと一緒に行って、亡くなった前妻さんを呼び出したことがある。

前妻さんは『くやしい、くやしい。父さんを取られてくやしい』と泣いていた…」

 

母にとってはかなりショックなことで…

「お墓には、父さんと前妻さんと一緒に入る訳にはいかない」と思ったらしい。

 

そして、その通り別々の墓になった。

思えば、切ない話。

 

 

おがみ屋さん。
元同僚もこういう人がいたら、駆け込むのかな。
 
あのニコニコしたおばあさんの顔。

不思議なほどはっきりと覚えている。

 

 

 

 

うさぎMerciありがとハート