昨日、ばったりと元同僚に会った。
と相変わらずのステキな声。
彼女は不思議な経験をたくさんしていて、同僚だった頃、いろいろと体験談を聞いた。
かつてとてもお世話になった上司(亡くなっていた)を、一緒に働いていた職場で見かけたと。
「声をかけたけど、スッと消えたの…」
それがきっかけで、次々と不思議なことに出合うようになったんだとか。
私は「へー、そうなんだ~」と聞いていた。
不思議な体験ばかりだけど、だから自分には特別な力があるんだ、とか、そういう方へはいかない。
どこかピュア。
ウソを言ってる感じはない。
だから聞くことがいやじゃなかった。
「なんなのかしら…自分でもよく分からないのよ…」とよく言っていた。
「こういう話を嫌がらずに聞いてくれた人は初めて」とも。
私はむしろ不思議な話を聞きたがりの方だから。
子どもの頃、近所におがみ屋さんがいた。
よろず相談のような、占いのような…
一番近いのはイタコかな。
そこへ、母によく連れていかれた。
薄暗い小さな部屋におばあさんがちょこんと座っていた。
背を丸めた小柄なおばあさん。
穏やかで優しくていつも笑顔。
母はその人の言葉をとても信用しているのが分かった。
私がずいぶん大きくなったある日。
母がポロっと話したことがあった。
「父さんと一緒に行って、亡くなった前妻さんを呼び出したことがある。
前妻さんは『くやしい、くやしい。父さんを取られてくやしい』と泣いていた…」
母にとってはかなりショックなことで…
「お墓には、父さんと前妻さんと一緒に入る訳にはいかない」と思ったらしい。
そして、その通り別々の墓になった。
思えば、切ない話。
不思議なほどはっきりと覚えている。
Merci