…元気でいてね


 そしてどうか

 忘れないでいて


 私はあなたが

 思っていたよりも

 ずっとあなたを

 大切に 大切に

 思っていたことを

 果てしない

 空と海から

 届く歌

 異国の風に

 そよぐ恋歌

 宵の闇中
 道標も
 見つからず
 遂には空から
 霧の雨


 冷たい雨に
 うたれても
 凍える風に
 吹かれても
 あなたにそっと
 抱かれた
 温もりだけは
 忘れない

 忘れない

 絶対に

 そぼ降る雨は

 今は亡き

 あなたが流す

 涙のよう



 もう

 泣かないで

 ありがとう


 ‥さようなら


 迷う心が
 移ろうにつれ
 色とりどりの
 模様となり
 また浮かんでは
 消えていく

 それぞれの
 12月の朝


 街が眠りにつく頃

 染み入る声で

 囁くように

 物語の中の

 少女のように

 歌うその姿は

 たぶん 夢の話

 時には心を開いて
 今ではもう
 忘れかけていた
 遠い夢でも
 追ってみないか

 誰かのために歌い
 誰かのために祈り
 そうして明日を
 取り戻して
 欲しいから

 きっと そうできれば
 あなたの気持ちは
 これからも変わらず
 あの頃のまま

 楽器を奏でる

 あなたの姿が

 わたしは

 好きだった


 たぶんあなたが

 思うよりも

 ずっと深く

 愛おしく

 かけがえのない

 大切な場面だった

 過去と未来

 その間で
 苦しみもがく今

 何もかもが
 偽りの中で
 流れている


 そうしてふたりは
 生きている


 生きている限り
 その流れは
 止まらない

 人の気配が

 ない浜辺

 9月の風が

 通り過ぎる風景


 ひと雨ごとに

 あの人の

 面影ごと

 消えていく

 夏の色