こんにちは。

「家族」と「葬送」をテーマに

書いております、ライターの橘さつきです。

 

このところ、投稿があまりできずに

すみません。

 

でも、しっかりとこれからのテーマに

取り組んでおります。

 

先日、千葉県佐倉市にある

国立歴史民俗博物館に行ってきました。

昨日で閉幕した、

「亡き人と暮らす

   位牌・仏壇・手元供養の歴史と民俗

の特集展示を見に行ってきました。

 

この特集展示は半年間も開催していて、

ずっと気になっていたのですが、

閉幕ぎりぎりで間に合いました。

 

歴博ってスゴイところ!

一日中いても、まだまだ見切れない感じです。

是非、小旅行がてら行ってみて!

 

「供養」や「先祖供養」というよりも

「亡き人と暮らす」という言葉に

グーッときちゃいました!

 

いい言葉ですね!

 

 

日本では先祖供養を大切にして

美徳とする社会通念が

親孝行とともに盤石です。

仏教というよりも、儒教の影響でしょうか。

 

子孫が先祖供養をしないと

先祖が成仏できずに苦しみ、

それを子孫に知らせるために

不幸がおきるという

「先祖の祟り」は

 

迷信のようでありながら、

人々の心に不安を与え続けて

きました。

 

新興宗教にとどまらず、

多くの宗教者や識者も

先祖供養の美徳を讃えるばかり。

 

なにか不幸があれば、

先祖供養を怠ったからだと。

 

今でも、多くの人が無意識に

「先祖の祟り」を怖れています。

 

 

人の叡智をこえた

目に見えない超自然的なものを

畏れることは大事ですが、

 

不安を仰ぐような、

先祖供養の在り方に

ずっと疑問を感じていました。

 

まだ、答えは見つかりません。

 

27年前に父が他界したときは、

とくに弔事には

慣習に疑問をもたないで

従うことが良しとされている時代でした。

 

先人の言い伝えには

何かしらの真実があると、

迷信と思いつつも従うべしと。

 

棺には石で釘を打ち、

遺族でさえも塩で死穢のお浄めをしました。

 

私もそうするものと従ったのですが、

今思うと自分で考えて行うことが

あっても良かったと思います。

 

同じことをされたら、悲しいですよね。

 

また年長者の意見には逆らうことは

できない時代でもあったかもしれません。

 

 

いろいろな葬送の慣習が

この30年で大きく変わってきたのを感じます。

 

位牌や仏壇、手元供養の移り変わりをみて、

これからはもっと大きく変わっていくのでしょう。

 

「家」から「個人」としての弔いに。

 

「先祖があるからこそ、今の自分がある」

のは事実。

先祖への感謝の気持ちを持つことは大事なこと。

 

でも、自分の死後に、

子孫に祟りなんか与えたくないし、

怖れられたくもない。

 

どんな苦しい時代でも

生き延びて命のバトンを

渡してくれた先祖に感謝したい。

 

先祖は祟らずに、どんなときでも

子孫を応援していきたい。

人生に悔いが残っても、自己完結して

子孫には遺さない。

死後もそうありたいものです。

 

怖れられずに、子孫が苦境に接したときに、

先祖は常にお守りのように励ます存在として

次世代に伝えていきたいと思うのです

 

何か不幸があったときに先祖の祟りだと

脅かすよりも、

好運に恵まれたとき、不運を免れたときに

先祖の守りだと感謝したい。

 

そうした思いがあってこそ、

先祖を敬う気持ちを育めるのでは

ないでしょうか?

 

供養のかたちはもっと自由で

あってもよい。

 

     

     奥にあるのは歌舞伎役者を追善の死絵(しにえ)

 

でも、これまでの慣習を変えることは、

大変なことだなと、勇気がいることだなと、

位牌や仏壇を見ながら、考えました。

 

伝統を守ることは、また新しいものを

生み出す力を閉ざしてしまいます。

 

うーん、本当に難しいですね。

 

たしかに伝統って、一度壊したら

もう戻せないもの……。

先人が守ってきたものを

壊す勇気はなかなか持てません……。

 

でも時代にそぐわないしきたりや伝統に

こだわり続けると、

今を生きる者も生きづらいし、

未来につなげていけない。

 

 

「亡き人との暮らし方」を考える

まずは、そうしたところから、

自由にしてみるのはどうでしょう?

 

   亡き人を偲ぶ人形

 

だけどね……、

それも良い関係があってこそのこと。

絶縁家族にはとても無理なこと

だと思います。

 

だから、絶縁家族には忘れること、

悲しみや憎しみを放念することこそが、

一番の弔いかと思っています。

それを諫めずに、理解してくれる人が

増えるといいなと思います。

 

これが私のこれからのテーマだと

考えています。

 

 

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是非、読んでみてください!

 

『絶縁家族 終焉のとき

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