こんにちは。

「家族」と「葬送」をテーマに

書いております、ライターの橘さつきです。

 

いきなり、衝撃的なタイトルでごめんなさい!

第二弾をお届けいたします。

 

 

親の介護負担の偏りが、

きょうだいの関係にひびをいれることは

珍しくありません。

 

 

お金には換算できない負担がいっぱい。

それぞれの生活があり、

きょうだい間で平等に負担を担うのは

とても厳しい現実があります。

 

どうしても親の介護を担う

キーパーソンとなる子に負担が偏り、

残念なことに確執が深まってしまいます。

 

しかし、世間って、

よく面倒をみている親孝行な子と、

なにもしない親不孝者の子という、

見方しかしないんですね。

 

世の中そんな簡単に

「勧善懲悪」なものではないと

思うのですが、

 

今日、お伝えするのは

親への愛情いっぱいな三人の子と

80歳の父親の話。

 

 

母親はくも膜下出血で50代で急逝。

その後父親は一人で暮らしてきました。

76歳の時に胃癌の手術を受けたことを

きっかけに、独り暮らしは心配と、

離婚していた長女(63)が、

定年退職と同時に同居することになり、

3年になります。

 

 

50代の弟二人がいますが、

妻子と他県に住んでいるため、

施設への入所を提案したものの、

 

姉が猛反対し、父の希望もあり、

姉が同居して介護をすることに

なりました。

 

長女は完璧主義のしっかり者。

愛する父親のために、

添加物のない手作りの食事を作り、

こまごまと世話をしてきました。

 

二人の弟の家に招かれて、父親が

数日過ごすこともあったようですが、

 

共働きの弟たちの家庭では、

平日の昼食はコンビニ弁当か冷凍食品を

一人で食べて、

孫と一緒にスナック菓子や

カップラーメンも食べました。

夜は息子と居酒屋にも行きました。

 

 

しかし、それが長女には許せなかった。

高血圧の父の健康を気遣い減塩食を

徹底してきた。

認知症を進めるお酒は飲ませては

いけないというのが長女の言い分。

 

息子の家に泊まるのだから、

手土産以外は、お金は必要ないと

思ったものの、

一応ある程度のお小遣いを

持たせたら、

 

孫たちに小遣いを渡し、

遊園地や映画にと大盤振る舞い。

お財布を空っぽにしてきたものだから、

長女は大激怒。

父親の年金を無心したというのです。

これでは世話をしたことには

ならないと?!

 

弟夫婦はそれぞれのやり方で、

父親をもてなし、喜ばせようと

したかったのでしょう。

 

父親も感謝の意を

伝えたかったのでしょう。

 

 

完璧主義の長女は、自分と同じ

やり方を弟夫婦にも求めます。

容赦ない批判と要求を義妹たちにも

ぶつけて、三人のきょうだいは

断絶してしまいました。

 

当然、弟にとっては姉より

妻のほうが大事でコワい。(笑)

 

父親は自分と同居してくれる娘には

逆らえません。

離婚した娘にとって、

守れる家族は自分だけと思っています。

きょうだい間の喧嘩に、父親は沈黙するのみ。

これも親として問題かかも?

 

こうして、

弟の妻たちは、この件から手を引いて

しまいました。

 

息子たちも父親は大好きなのです。

父に会いたくても、姉が常に

一緒にいるので、ついつい

足が遠のいてしまいました。

 

自分だけに押し付けて、

弟夫婦たちは

何も手伝わないという長女の主張。

 

何も手伝わないのでなく、

言われた通りに動かないと

姉は気が済まないからというのが、

弟二人の言い分。

 

何もしないのではなく、

何も自由に手伝わせないからだと。

 

介護の問題に接したときに、

必ずキーパーソンとなる人は

必要です。

 

でも、何もかもその人が

決めてしまうと、

他の兄弟や親族の

協力を得られなくなってしまいますね。

 

介護にかかわる人が

各々の想いで、

それぞれのやり方で関わり、

他の人のやり方に

文句を言わないことも

家族が断絶しないための

秘訣ではないでしょうか?

 

私はもし多少ボケてしまっても、

大きなお金の管理は子に頼っても、

お小遣いくらいは

誰にも管理されない自由が欲しいな!

 

それも人間の尊厳かと思います。

 

平和に介護をするためには、

周りの協力をうまく引き出させる力が

キーパーソンには大切ですね。

 

「いい加減」って、

平和のために、とっても大切なこと

かもしれません。

 

 

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是非、読んでみてください!

 

『絶縁家族 終焉のとき

  ― 試される「家族」の絆』

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