こんにちは。

ライターの橘さつきです。

「家族と葬送」をテーマに書いています。

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なぜ、家族とはこんなにも

あっけなく崩壊してしまうんだろうか?

とずっと、考えてきました。

 

拙著の中でも私の家族の問題を

紹介してきました。

 

長男の兄に子どもが授からないことを嘆き、

娘の出産に憎悪を向けた母。

母の毒に染まるように、

一緒に攻撃をしてきた父と兄でした。

 

経済的破綻とか重病にかかったとか、

何か大きな不運がきっかけではなく、

家族とは内側から朽ちて、

内壁が崩れるように腐乱していく。

 

問題はその家族の在り方にあるのかも

しれません。

 

平和な家族を演じながら、

維持してきた平穏な家族は、

ある日、突然のことで、

音をたてて崩れるように崩壊していきます。

 

 

結婚後、嫁姑の壮絶な確執から、

兄嫁と両親は完全な絶縁状態。

兄だけが時どき顔を見せるだけでした。

 

家を継ぐ、長男の子どもを

願った両親ですが、

決して、兄と両親の関係が

上手くいっていたわけではないのです。

 

実は、兄が反対の結婚を押し切ったため、

子どもがいたら離婚できなくなると、

「どうか嫁が妊娠しませんように」と

どこかで願掛けまでしていた母でした。

 

気に入らない嫁との離婚の日を期待し

待ち望んでいた両親。

 

 

兄嫁と両親は絶縁状態が続き、

結婚して9年になっていました。

 

そんな時に結婚五年目の私が妊娠したのです。

最初は両親も娘の懐妊を喜んでいたのですが、

だんだんに内孫がいないことを不満に

嘆くようになりました。

 

ある日、母が兄に

「子どもができないなら、不妊治療でもしたら。」

と言ったらしいのです。

 

兄が返した言葉は

「子どもはできないんじゃない!

妻を〇〇家の嫁として認めてくれなかったから

作らなかったんだ!」

 

きっと、兄にとっては

それまでの長年の不満を

跳ね返す精一杯の言葉だったのでしょう。

 

しかし、息子に言われたこの一言が

母の心に火をつけたのでした。

 

離婚させて、

嫁から息子を取り返す企みから、

一転して、息子の愛と関心を

自分に取り戻そうとした母でした。

 

 

不妊治療の失言も、

なにもかも私の発言にして、

母は兄に私への敵意を刷り込みました。

母はいつでも他人の発言を伝えるかたちで、

都合の良いように人に話す危険な人でした。

 

私にとって兄夫婦との絶縁も不妊のことも

アンタッチャブルなこと。

そんな危険な会話には入らず、

一切触れたこともないのに……。

 

親が結婚を認めなかったから、

跡継ぎは作らなかったと

息子に言われた母は

嫁にかわって、

今度は臨月を迎えた娘を

攻撃するようになりました。

 

 

母の暴走を止めてくれる人は

いません。

父も兄も母の毒に染まるように

妊婦の私に憎悪を向けてきたのです。

 

家父長として威張っていた、

昭和一桁生まれの父の

無力を知った時でもありました。

父を中心として守ってきた

「家の秩序」とは一体何だったのか?

 

 

家族崩壊には長年積み重ねられた

家族の闇にその理由があります。

 

そして、それがある日、突然に

一気に雪崩のように

崩壊していくのです。

 

 

 

兄と私はずっと

仲が良いきょうだいでした。

 

親子逆転の機能不全の我が家では

厄介な親の悩みを共有できる

唯一の同士の関係でもありました。

 

こうして親が我が子を分断することを、

「きょうだいの分割統治」と言うそうです。

 

母の企みで兄とはもう25年も

会っていません。

 

母が願ったのは子どもの幸せでなく、

自分に服従する子どもでした。

子どもを愛するのでなく、

家族を崩壊してまでも

愛されたい、認められたい人

だったのです。

 

母が愛したのは自分自身だけでした

……。

 

 

 

 

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