7ヶ月の沖縄生活を終えて、東京に降り立った私。
相変わらず品川駅は、通勤の人でごった返していた。
地元の駅までの車中。
溢れかえる人ゴミの中、一人落ち込んでいる自分がいた。
駅に着いて、実家への道のり。
空からは自分の心を現すかのように、雨がシトシトと降り注いでいた。
背中の鞄、右手に引きずる荷物。
静まりかえる朝の住宅街の中、一歩一歩ゆっくりと歩を進めた。
何度も空を見上げては、これでよかったのかと自分に尋ね続けていた。
もう戻れないんだ、あの宜野湾の家はもう無いんだという事を思うと、とても寂しくて、涙が溢れていた。
実家に着いてしまったら、沖縄生活が夢の様に、全てが元に戻ってしまうような気がして、足が重かった。
期待を持って出てきたはずだったけど、それはいつしか失意に変わっていたように思う。
実家に着き、荷物を下ろすと、ソファに腰掛け、しばし呆然とした。
何年間も見てきたこの光景がまた目の前に広がっている。
戻ってきてしまった・・・
それが妙に寂しく感じられた。
また沖縄に戻りたい。
東京に戻って早々、そう思った。
ホームシックにかかっていたようだった。
東京に来たのは、沖縄に戻るためなんだ。
そう思うように努めた。
しかし、心はすぐには晴れてはくれなかった。
それからしばらくはふさぎ込み、笑顔を出すことが出来なかった。
なんでも良いから沖縄に戻りたい。
その思いが日増しに強くなっていった。
それでは東京に戻った意味が無いことは重々承知だったが、沖縄という土地が自分には離しがたい所だっていうことを再確認するのだった。
私はなんとか自分を立て直すことに努め、東京での仕事探しを始める事にした。
それで自分を鼓舞し、前に進もうと。
再び沖縄での生活を手に入れる為に、今東京で踏ん張ってみようと、そう心に言い聞かせるのだった。
