仕事を辞めた自分は、晴れてフリーの身になった。

どこからも縛られない、自由の身だ。


退職してすぐに自分は、3度目の沖縄へと飛んだ。

この時の沖縄旅行で、これまでの二度の沖縄には無かった新たな一面を見る事になった。


今回の沖縄旅行は、宿もろくに取らず、ゲストハウスや民宿を転々とするフリーな旅にしようと思っていたのだ。

那覇で泊まった初めてのゲストハウスは、まぁとりあえず寝床って感じで、牢屋みたいな感じで印象は薄いけど、他のゲストハウスに泊まったことで多くの出会いや、沖縄のいろんな面を知ることができた。


レンタカーという移動手段も持たず、バスと自分の足を頼りに沖縄を周った。

夏の暑さが、重い荷物を背負う自分を苦しめたけど、それでも苦じゃなかった。

沖縄の土地を歩いていられる事が楽しいと思えた。


この時、行ったゲストハウスが、ビーチロックハウス、名護ゲストハウス、結家だった。


ビーチロックハウスは今はなくなってしまったけど、本当に賑やかな場所だった。

世間から逃れてきたアウトロー達が集まるような、そんな匂いがした。

夜中まで音楽を大音量で流し、表では酔っ払いが叫んでいた。

なんだか渋谷のクラブが、ただ海にきた、そんな感じだった。

自分が求めていた沖縄の姿とは違っていた。

なんだか現実逃避の場みたいに思えた。


次に行った所が名護ゲストハウスだったのだが、ここでは本当に楽しい時間を過ごす事が出来た。

海の目の前に立つおんぼろの建物だったが、その雰囲気がとても良かった。

そして夜、台所に飲み物を取りに行った自分に一言「一緒に飲もうなぁ」と地元の人が声を掛けてくれた。

ここのオーナーさんも一緒になって夜の宴会が始まった。

旅行者に近所の人達、みんなそろって泡盛を飲み続けた。

この時初めて地元の人とこうやって同じ場を共有する事ができた。

それがとても新鮮で、沖縄の人の陽気な暖かい感じがとても素敵に思えた。

酒に弱い自分はそうそうにダウンしてしまったが、本当に良い夜だった。

翌朝、眠い目をこすりながら、周りのみんなが寝静まっている中、自分はこっそりと起き上がった。

洗濯物を乾かしながら、建物の屋上で名護の海を眺めてる時間がとてもゆったりとしていて、快適だったのを今でも覚えている。


結家さん。

結姉さんのとてもインパクトのあるキャラクターと、最高の立地条件。

着いたらすぐにニックネームがつけられて、周りのみんなとすぐに打ち解けられる。

そんな空気を作り出しているこの宿は、本当に魅力的だった。

夏の暑さが残る昼下がり。

テラスでギターを弾きながら、海の音、心地よい風を感じた。

これが幸せな時間ってやつなんだなと思えた。

ここで見た海に沈んでいく夕日がとても美しかった。

日が沈んだ後、ビーチに下りて砂浜の上に寝そべった。

満点の星空がそこには広がっていた。

数え切れないほどの無数の星が、夜空を埋め尽くしていた。

これほどまでに綺麗な夜空を見たのは初めてだったかもしれない。


数軒のゲストハウスを周り、色んな人と出会い、話、そして最高の自然の美しさを感じる事ができた。

沖縄の新たな楽しみ方を知った時だった。

そして沖縄の素晴らしさを改めて実感し、より一層沖縄に対する愛着が強いものになった。

ここを離れたくない、そう思う旅だった。


そして今回の旅は、ある女性と出会った素敵な旅でもあった。