この会社じゃ、いつまでたっても下っ端だ。
ずっと負い目を感じていなければならないんだ。
そう思いながら、淡々と仕事をしていた。
自分は先に進めるものが他にないか模索し始めた。
たまたま周囲にPCを飯の種にしてる人が多かった事も影響してか、自分もそっちの道に入れば、もっと新しい世界が開けるんじゃないだろうか。
そんな淡い期待をしていた。
早速苦手だったパソコンを購入し、一から勉強しなおした。
そしてPCスクールにも入って、仕事以外の方向で力を注ぐ事で、なんとか自分の気持ちを高ぶらせたかったんだ。
今思うとそれすら逃げだったのかもしれない。
自分の置かれた環境と直面する事を避けていたのだから・・・
その時は、ただ何かに必死になれれば救われたような気がしていた。
仕事が終わってから家に帰り、勉強し、休日はスクールに通い多忙な日々を過ごし始めた。
徐々にではあったが、少しづつ色んな事が分かり始めて、自分にもできるんじゃないだろうかと思うようになった。
そしてそっちの方向でやって行きたい、その時はそう思った。
ただそれも矛先をそちらに向けた方が自分の気持ちが楽になれたからだからもしれない。
シスアドを取り、自分のサンプルWEBサイトも出来始めていた。
さぁいよいよこの職場を離れて、次の場所へ、もっと自分が輝ける、過去の自分を振り払える場所へ。
そう思いを高めていった。
だがいざ上司の前に行くと、なかなか退職する意思を伝えられなかった。
本当に今の自分で、向こうで通用するのか。
上司の機嫌を損ねてしまうのではないか。
上司の顔色を伺い、自分の思いをどう告げるか、ひたすら悩み、そしてタイミングを待った。
思い立ってから、その意思を伝えるまでにどれくらいの時間を費やしただろうか。
おそらく一ヶ月以上かかったんじゃないかと思う。
悩んだ自分は、仕事が終わるとよく代々木公園に出かけて、今の自分の思いをひたすら書いていた。
自分の思いが伝えられない自分は、うつむきがちになり、取り戻したはずの笑顔も次第にうせていった。
その時は、周りで笑顔で話す人達をうらやんでいたのを覚えている。
一人夜の公園の真ん中でノートパソコンに日記を書いた。
二本の酒とタバコが、唯一自分の仲間だった。
人に自分の思いを伝えるのが怖かった。
人からどう見られるかが怖かった。
周りが怖かった。
弱い自分が情けなかった・・・
