さとゆみです。
今日は朝の7時半からビューティ雑誌の取材を受けていました。ライターさんがとても素敵な方で、記事の仕上がりが楽しみです。
今日は雨が降っていたので、行くなら今日かも! と思って、取材のあと、急遽、帰宅するのをやめて電車に乗って「クリムト展」に行ってきました。
昨日行ってきた夫は「激混み!」といっていましたが、今日はわりと近くで絵を見ることができました。今日にしてよかった。
もう焼失して写真しか残っていないという、ウィーン大学の天井画、「哲学」「医学」「法学」の3部作のうち、「法学」の絵がすごく好きでした。
こんな絵です。
↓
この絵は大学からオファーされて描いたものですが、理性の優位性を否定するかのように人間の内面性を描いたことや、官能的な表現が問題視され、クリムトに依頼した文部大臣が帝国議会で糾弾されるまでの事態になったのだとか。
クリムトは描き直しをするのではなく、契約の排除を求め、報酬も全額返却して、この絵を美術館と個人の収集家に売ったといわれています。(その後、ナチスに没収され焼失)
この事件をきっかけにクリムトは保守的な美術家組合を脱退して、ウィーン分離派を作ったのです。
といったような、絵の背景を知ることが好きなので、私はオーディオガイドや図録などが大好きなのだけれど、うちの夫は、ひたすらに絵だけを見て、絵だけを感じるタイプ。
(今回は別々でしたが)一緒に美術館にいっても、見る場所が全然違うので、おもしろいです。
で、
絵でも小説でも、なんでもそうなのだけど、
そういう背景を知ったあとに見る作品が、「それ以前と違って見える」ということに、いつも思いを馳せます。
さっきまで見ていた絵と、今見ている絵。同じ絵のはずなのに、その文脈を知ると、違って見える。
人間の観察というのが、いかにあやふやなものなのかについて思うんですよね。
人の認知が、どれだけ「情報」によって左右されるか。その体験にいつもくらくらします。
何かを知ると、ものの見え方が変わる。
そして、知ることはいつも一方通行。知らなかった前には戻れない。そんなことを考えながら、見ていました。
んでは、また。
オフな話。さとゆみでした。
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