特別養子縁組では

 

産みの親=実親さん

育ての親=養親

 

母親と父親がそれぞれ2人ずついます。

 

民間団体に実親さんが相談するとき

大抵は、実母さんがほとんどだと思います。

 

 

妊娠したけれど誰にも相談できない

誰の子か分からない

父親になる相手が認めてくれない

お金が無い(パートナーが協力的でない)

育てられなくなった等・・・

 

そういった事情がある方が多いようです。

 

養子にとっては大切な実親さんですが

実母さんは分かっても、

実父さんがわからない、行方不明、音信不通などということがあります。

 

実母さんは実際に産むわけですから、

病院などで赤ちゃんを産んでから

民間団体や児童相談所へ相談されます。

 

実父さんの責任について問われることもありますが、

実際は、実母さんだけが辛い思いをしていることが多いように感じます。

妊娠・出産という身体的な面だけを考えても大変な思いをされていると思います。

 

 

 

さて、我が家の養子たちも

実親さんがもちろんいるわけです。

 

いつまで隠しておけばいいのでしょうか?

 

 

え?

隠してるの?

 

特別養子縁組をご存知の方はそう思うかもしれません。

 

 

いいえ、もちろん

我が家では、一切隠しておりません!!!

 

隠すのはやめよう、

と思ったことはありません。

 

最初から、全部話していこう。

出自については、養子たち本人のことなのだから。

と考えています。

 

 

年齢によっては理解できないこともあります。

言葉で説明しても、わからないこともあるでしょう。

そもそも「養子」と言う言葉が難しいと思います。

 

では、いつから説明するか?

 

我が家では、

我が家に来たときから、話しています。

 

 

え。赤ちゃんに話したってわからないでしょ!

とツッコミがきそうですが

赤ちゃんでもわかります。

 

言葉はわからないかもしれないけど。。

親の話す言葉から出てくる気持ち、きっと感じ取ってくれるはずと思って話しかけていました。

 

いわゆる「真実告知」と言われるものに関しては

〇歳の時に、というのはなく

 

赤ちゃんの時からの流れで

母子手帳を手にしたときや、他の養親・養子に会う機会に

その都度話して聞かせていました。

 

 

5歳頃になると

「僕は○○(地名)で生まれたんだよね」

「ママのところに連れてきてもらったんだよね」

ということを自分から話すようになりました。

 

弟を迎えたことで

上の子はなんとなく自分も同じように我が家に来たんだということを実感できていると思います。

 

赤ちゃんのときの写真を一緒にみたり

実親さんの分かる範囲のことを話したりしました。

 

 

 

周囲への告知

 

上の子が幼稚園に入ったときに弟を迎えましたので

生後1か月は、上の子も園を休ませました。

 

急に休んだ上、

お腹も膨れてない私がいきなり赤ちゃんを連れて園に行った時

先生たちも「あれ?」

ママ友も「アレ?」

と言う顔をしていました。

 

ウワサ好きのママ友はすぐに

「きょうだいなの?おめでとう」といいながら近づいてきました(笑)

 

迷ってはいましたが

隠す事でもない、恥ずかしいことでもない、と思っていましたので

「養子をむかえたんです」

「ちなみに、上の子も養子なんだよ」と伝えました。

一緒に聞いていた先生が

「え、本当に?鳥肌がたちました。そっくりですね」

とおっしゃってくださいました。

 

恥ずかしいことじゃないけれど、

いいと思わない人もいるかも、ウワサになるかな、

明日からザワつくかな、

なんて身構えていましたが

 

まったくそんなことはなく

普段通り。

 

そんなもんか、と思いました。

 

良識ある方たちでしたし

通っていた園がキリスト教系で、慈悲深い方が多かったのかな。。

情報があふれている時代のせいかもしれません。

 

 

弟ができなければ、

周囲に告知する必要は特にありませんでした。

特段の配慮をしてほしいわけではありません。

養子だからといって、保育・教育に関係はないと思いました。

 

 

就学にあたって

 

 

小学校に入る時も少しだけ迷いました。

10歳の時に、二分の一成人式をやるとか、そういったことで気まずい思いをするかもしれない

学校に配慮してもらうことがあるかもしれないとうっすら思いました。

 

しかし「配慮してもらうこと」が具体的に思い浮かばなかったので

今でも学校へ伝えてはいません。

 

 

日本財団が

「はじまりの連絡帳」を配布しています。

 

 

私もこの小冊子を手にしましたが

学校側の負担をただ増やすだけになるかも、と思って使っていません。

 

担任の先生や学校側のスタンスがわかりませんし

「そのとき」がきたら

先生にお話すればよいのでは、と思いました。

 

もし使うことがあれば、ご報告しますが

このまま使わずにしまっておくことになるかも・・・

 

 

 

少数であることを伝える

 

あと、我が家の子たちに真実告知をしていて

もう一言つけくわえていること。

 

それは、「大体の子は、お母さんやお父さんは1人ずつなんだよ」ということ。

 

「〇〇ちゃんのお母さんはお腹が大きいでしょ、赤ちゃんがお腹にいるんだよ。

そして、〇〇ちゃんも○○お母さんから生まれて、そのお家で育ってるんだよ。

ほとんどの子がそうなんだよ」

 

お父さんとお母さんがバイバイして、1人しかいない子もいるかもしれない

お家によって、事情はいろいろだよ

 

我が家みたいに、お母さんお父さん2人ずついるのは、周りではうちだけだと思う

 

恥ずかしいことだったり、だめなことじゃないけど

みんなとは違うということは知っていてね。

いきなりお友達に話すと、わからないと思うよ。

 

 

と言う風に伝えています。

 

養子であることを伝えていますし、養子のお友達もたくさんいます。

ママもパパも2人ずついるし、

きょうだい別々の場所で、違うママから生まれている

ということを2人ともわかっています。

しかも、ポジティブにとらえています。

 

「少数」であることを実感していないので

学校の友達に話すことでお互い混乱してしまうかなと思ってのことです。

 

 

 

みんなちがって、みんないい

少数であることは

だめなことじゃない

 

少数であることは

変わってるかもしれない、特別かもしれない、誇っていいこと

 

見方が変われば

皆、多数にもなるし

少数にもなる

 

一人ひとり違うよね

顔が違うように

考える事が違うように

得意なこと・苦手なことが違うように

 

 

おかあさんといっしょの

「とり」という歌をふと思いだしました。

 

皆と一緒なのが安心しますが

人違う事もいいよね、と思えると

心が楽になりますね。

 

 

「僕はママが一番大好きだし、

産んでくれたお母さんにはいつか会いたいよ」

 

言わせたわけでなくて

本当に自分からそういうことを言ってくれています。