新入工場にそれほど拘りや思い入れがある訳ではないですが、あと一つエピソードがあったので書かせて頂きます。



 新入工場での諸動作は歩く時に手をまっすぐ伸ばし、膝を高く上げ角を曲がる時には直角に曲がらないといけないので自分がロボットになった気分でした。
 刑務所内の規則は厳しく、
・無断講談の禁止
・無断離席の禁止

・わき見の禁止

が基本となっています。
その為ビビり君は何度もわき見をしていた事で叱られました。

 ある日私も大変な目に…
いつも通り作業が終わり、検身場での事。

私の隣には同じ名字の佐藤さんの服がかかっています。

私は間違えてその佐藤さんの服を手に取ってしまい、それに気付いた佐藤さんが思わず[それ俺のだよ]と声を出してしまいました。


さっき書いた様に無断講談禁止です。

何かある時は手を上げて職員に[どうした?]と聞かれるまで話してはいけません。


でもこれに慣れていない佐藤さんは声を出してしまいました。
すぐ検身に付いていた別の職員が[そこ何勝手にしゃべっているんだ‼️]
と言い、すぐに何処かに電話しています。
そして私と佐藤さんは別々に離れた場所で立たされました。
すぐ警備隊の人が数人来て私達は近くにある取調室に連れていかれました。

取調室は2つあり、分けて入れられます。


すぐに[何があったんだ⁉️]と聞かれ私はあった事をそのまま伝えました。
私は服を間違えてしまいましたが、声を出してません。
私はそれほど怒られる様な事はしていないと思っていました。
でも4人の刑務官達は口々に[何勝手な事をしてるんだ‼️]と怒鳴っています。
私は謝る事しか出来ず[すいませんでした][これからは気を付けます]としか言えませんでした。

きっと刑務官達は私に刑務所の怖さを教える為に意気込んで皆怒鳴っていたと思うのですが、特に指摘するところのない謝ってばかりの私に拍子抜けしたのか

[謝ってばかりいるんじゃねー]とまで言う人が居て、急に戻っていいぞと言われ無事舎房に帰る事が出来ました。


私は本当にビビっていて刑務所はとても怖いところだとその時思いました。

この様に刑務所はとても厳しいところです。