検身の練習も終わり、私達は荷物の整理をし、終わった頃に衛生係の人が風呂の入り方や用便(トイレ)の仕方等を教えてくれました。
その後、昼食を食べ作業は特に無いとのことで、私達は[作業安全心得]というものをひたすら読まされました。

 次の日、私達と同時に来た人が担当職員に怒られていました。
その人は背が低く、挙動不審でやけにオドオドしている感じの人でした。
[おいコラ❗誰か近くに人が来てもいちいち見るんじゃねーと言ってるだろ❗何でお前は毎回こっちを見てくるんだ⁉️あーコラ❗俺に文句でもあるのか⁉️]と担当がその人に詰め寄っています。
その人はテンパってしまっていたのか
[ハ、ハイ‼️]と返事してしまい、[舐めてるって事でいいんだな‼️]更に詰め寄られていました。
その怒られていた人を〔ビビり君〕と呼びましょう。
ビビり君は私と同じ部屋です。
ビビり君と私を合わせた4人部屋でした。
夜になりもう一人の人とビビり君に
[今日は大変だったね]と話し掛けました。
ビビり君は恥ずかしそうに頷きます。
そこで私が[何をやって刑務所に入る事になったの?]と聞きました。

ビビり君の話では前にも人の家に入り物を盗もうとしたのがバレて捕まり、執行猶予中にもかかわらず今度は友達の家に忍び込み、それがバレてしまい捕まって刑務所に来てしまったと話していました。

私はたったそれだけの事で刑務所に来てしまうのだなと思いました。


[それで何年貰ったの?]と聞くと彼は
6ヶ月だと言い、満期出所まであと2ヶ月程だと話していました。
それを聞きそんなに短い期間刑務所に入って意味はあるのだろうかと思いました。
でも彼は色んな事に物凄くビビっていたので効果はあったかもしれません。
そんな人も居たというお話です。