新入工場では刑務所内での諸動作や風呂の入り方、工場、舎房での生活の仕方を教えてくれます。
 
 他の施設では[新人工場]と呼ぶ様ですが、函館では新入工場でした。
意味合いは同じだと思います。

 私達は職員の後を付いて歩き新入工場に着くなり、工場の中から大きな怒鳴り声と謝る声が聞こえてきて私は突然緊張しました。
一緒に来ていた職員に中に促され入るとまずは[検身]の練習を始めるということに。
 新入工場の中は検身場と工場と食堂で分かれていました。
私達は衛生係の人に促され検身場に。
中には左側に上下2つパイプがあり、番号が振られたハンガーが有り、約20人分の服が掛けられる様になっていました。
自分の服をかけ、シャツとパンツになって下さいと指示され皆服を脱ぎました。
 ここで簡単に説明しますが、検身は必ず工場に入る時と工場から帰る時にやります。
舎房から変な物を持ってきてないか、又は工場から変な物を持ち帰ろうとしてないかを確認する為です。
その為毎回シャツ、パンツになり、中央に立っている職員に確認してもらい[よし!]と言ってもらえなければ通してもらえず、着替える事が出来ないのです。
 その練習です。

自分の称号番号を言い、大きく口を開け、手のひらを3回裏表にして見せ、シャツをまくり上げパンツの前を広げます。よしと言われたら反対を向きお尻が見える様にパンツを広ます。

よし!と言われてやっと着替えられます。

(口の中に何か入っていないか、手に何か持っていないか、そして体に何か隠していないかの確認です)


この様に受刑者は朝、夕毎回、その時に付く職員にチンチンとお尻を見せなければいけません。


 そしてその練習を他の人がやっているのを見て私は娑婆の人がこれを見たら凄く滑稽だろうなと思いました。

 長々と説明して申し訳ありません。
でも私は出来るだけその状況を細かく分かる様に説明したいのでこうなってしまうのをご了承下さい。