さて、先週末は、5回目の親の会を開催した。

今回は17名の保護者が参加し、回を重ねるごとに参加者が増えている傾向だ。

今回のテーマは「進路」で、不登校で進路が決まっている3年生の保護者にお願いし、息子さんの進路決めにあたって集めた資料も持参していただいた。進路先として通信制高校を決めた経緯についてもお話を伺った。

その後、校長からは「進路」と「成績の考え方」について解説を受け、不登校担当の先生も同席し、改めて保護者への周知のために自己紹介をしていただいた。

参加者の中には、保護者以外にも、地元のフリースクールや、放課後デイサービス3団体のスタッフも招待し、不登校支援の受け皿として紹介した。フリースクールや放課後デイサービスでは最近、通信制高校のサポート高校を立ち上げたり単位の連携をしていたりと、その有用性についても紹介した。

放課後デイサービスは福祉の領域に入るため、医師の診断などが必要とされる場合もあるが、条件にこだわらない家庭にとっては有益な支援体制となり得る点が大きい。実際の運営者の話も交え、参加者には視野を広げる機会となった。

各放課後デイサービスでは約100名の利用者が在籍し、その約半数が不登校状態であることを知り、様々な取り組みの情報を共有し、有益なものを活用することの重要性を理解できたのではないかと思う。

親の会では先輩保護者も多く参加している。各家庭の経験談や利用している施設情報、それらへの手続きのテクニック論などが共有され、親の会が「横の繋がり」や「地元情報のプラットフォーム」として機能する意味がようやく実感できてきた。初めての頃は暗く重たい雰囲気だったが、今回は笑いと積極的な意見が交わる、活発な会に成長している。

まだまだ目指したいこととしては、保護者の「受け身からの脱却」や「施設がないなら作ってしまえ」といったポジティブな意識醸成である。これが実現すれば、各家庭の日常の景色も変わることだろう。

一方で、フリースクールの代表からは、他の中学校にも同様の動きが広がるよう、教育委員会に働きかけることも提案されたが、まだしばらくはこの会での一体感を大切にし、広がる時は焦らず進めたい。

学校との連携も、今後も強化していきたいものの、まだまだ温度差を感じることもある。学校が「教育」だけでなく、「福祉」や「医療」にも今まで以上に意識を向け、より広い視野で関わってくれるよう引き続き問いかけていきたい。