この「子午線」は「Welcome back to The 70's」のDVDを聴いてはじめて知った。DVDで浜田が曲の紹介をしているのだが、なんとこの「子午線」は今までコンサートで歌ったことが無かったという。「MIND SCREEN」という浜田の4番目のアルバムの最初の曲なのである。
普通アルバムは、シングルが先行発売されて、当時シングルは2曲入っているので、合計4曲をアルバムのどこに入れるかは難しい。筆者はシングルの4曲をおそらく1,6,7,12番目にしているように思っていた。
少なくとも最初の曲はかなり自信作のはずである。それが何故コンサートで歌われなかったのか、DVDを視聴して疑問に思ったのである。初めて聞いた「子午線」は悲しい歌だけれど、心に沁みる良い曲ではないか。
そしてとうとうその答えが分かったのである。浜田のHPにアルバムリストがあって「MIND SCREEN」も入っている。筆者は何時もアルバムを見つけて、収録曲しか見てないのだが、ロールダウンしていくと、浜田がコメントしているのである。
4作目のアルバムは発売日が決まっていて、又、浜田自身が作詞に苦闘してもいたからか、数曲、作詞家に依頼していたのだった。「子午線」は森田由美が作詞している。そしてコメントの中で「子午線」を歌っていないのは「それは歌詞が好きになれないということではなくて、どうしても歌詞を覚えることが出来ない」というのである。
「やはり自分の言葉で歌を作らなければ、自分の歌にならない」。やっぱり浜田省吾は「ソングライター」なのですね。
ところで「子午線」の歌詞の中に、昔の恋人からの電話に「今僕の腕の中の愛しい人をどうか揺り起こして欲しくないのさ」と思うのだが、これはどういう意味なのだろう。今の恋人のことなのか。それとも昔の恋人との悲しい別れから、ようやく立ち直りつつある自分のことなのだろうか?