里山の風に吹かれてⅡ




徳島の神山町から上勝町のスーパー林道に向かう途中に高根山、柴小屋山そして大道丸と1200m級の山が3つほど連なって団子三兄弟と呼ばれている。

三つの山の山腹を取り巻く林道がちょうど団子の串のように見えることからその名がついたとか。

剣山系の山としては標高は低いが、紀伊水道から吹き上がった風がその屏風の様な山並みにぶつかるため、雨や雪が多い。

そのためカタクリなどの花が特に美しいところだ。

特にゴールデンウィークの頃に咲くアケボノツツジは他の山より少し早く咲くのでとても人気がある。

しかし、その他のシーズには訪れる人もまれで静かな山歩きを楽しむことが出来る。

剣山などのブナの黄葉が盛りを過ぎた頃、大道丸から下った薬研谷に紅葉を楽しむために出かけた。

柴小屋山から大道丸までの尾根道は優しい日差しがあふれていた。


里山の風に吹かれてⅡ
大道丸から薬研谷に向かって下っていく。

やがて、アケボノツツジの鑑賞ポイントの大岩に着く。

この大岩からは大川原高源やその向こうに徳島市内から紀伊水道や淡路島まで見渡すことが出来る。

振り返ると柴小屋山へと伸びる山肌にアケボノツツジが真っ赤に紅葉していて素晴らしい。



里山の風に吹かれてⅡ

見事なアケボノツツジの紅葉を目の前に見ることが出来る。

アケボノツツジは柔らかなピンクの花が美しいが、その紅葉花に負けず美しいことを知っている人は少ない。


里山の風に吹かれてⅡ
大岩の近くのアケボノツツジは真っ赤に紅葉しているが、大岩の下の薬研谷のアケボノツツジの紅葉はまだ淡い。


里山の風に吹かれてⅡ
見下ろすと、真っ赤なのドウダンツツジの紅葉も混じって、まるで光の海の上を岩の船に乗って漂っているようだ。


里山の風に吹かれてⅡ

薬研谷の名は、谷から流れ落ちる銚子の滝が大岩を削り取りとったV字型の形が、漢方薬で使用する薬を砕くための「薬研」の形に似ているからだという。

その深い谷に降りて向かいの大岩に登る。

ここからは先ほどのアケボノツツジの鑑賞ポイントの大岩を見ることが出来る。

ちょうど見頃のアケボノツツジの紅葉が日に照らされて素晴らしい。

さわやかな風に吹かれて大岩に座って食べるおにぎりが特別のごちそうとなる。

里山の風に吹かれてⅡ

帰りは四国の道を登り返すと、大きなブナが見事に黄葉している。

ブナは、黄葉するとすぐに茶色に縮んで落ちてしまう。

このように見事に黄金色に輝くブナに出会うことが出来て感激。


里山の風に吹かれてⅡ
黄金色の光のシャワーを浴びて自分までがブナと同化したような気持ちになることが出来た。


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