花のみち朝をおどろく霜置けり 悌二郎

ガソリンがにほひ葉桜萼をふらす 〃

 久し振りに悌二郎。両句とも取合せ。もっとも俳句のほとんどは取合せなのだが。一句目の取合せは少し理が立っている。桜の頃に霜が降ったので驚いたということだが「朝をおどろく」が手柄というところか。二句目はガソリンの匂いと葉桜は適度の響き合っているという感じ。昭和10年の句だ。そこころのガソリンは匂いというより臭いなのだろうと思う。

初夏

 

会員募集中。下のHPの「お問い合わせ」からどうぞ。