海照ると芽ふきたらずや雑木山 悌二郎

柚子の照る門は潮に間向へり  〃

 一句目、大方の歳時記に例句として載っている悌二郎の代表句といっていいだろう。切れ字「や」の使い方が絶妙というか、こんな使い方があるのだと感心させられる。大きく切れているわけではない。他の助詞、例えば「の」や「に」でも成り立つ。「や」を使った一句一章の句と言っていいだろう。二句目、前の句は海から山への視線だが、この句は逆に山から海へ。何方もスケールの大きい写生句だと思う。

河津桜が満開。茣蓙を敷いた花見客が一組。

 

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