梅天やしろしろとある梨袋 悌二郎

橋涼み小火の人出のくづれ来る 〃

 梅天は梅雨空のこと。梨の袋掛けは六月に行われるので、季節を現わす言葉が二つあることになる。本来なら何方かを省略して、気の利いた措辞を置きたいところだ。でも、悌二郎はそんな安易なところでは妥協しなかったのだろう。「梅天や」には信念のようなものを感じてしまう。二句目、珍しい素材を扱っている。小火に集まってきた人たちが、鎮火したのだろう、一安心して橋の上に集まってきたのだ。「くづれ来る」は臨場感のある描写だ。

青い柚子

 

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